一方、今や海外でも「BUTOH(ブトー)」で通じる舞踏の2つのカンパニーも、精力的に活動中。フランスをはじめ海外での人気も高い山海塾を率いる天児牛大(あまがつ・うしお 1949-)と、大駱駝艦(だいらくだかん)を率いて作品を発表しながら、俳優としても活躍する麿赤兒(まろ・あかじ 1943-)だ。
山海塾『卵を立てることから―卵熱』
大駱駝艦『こと問はず 舞い それ答えずして をどる #12 阿蘇 尊』
また、土方巽と大野一雄という舞踏のビッグネーム2人と踊ってきた笠井叡(1943-)も『日本国憲法を踊る』や『冬の旅』などエッジの効いた独自の活動を続けている。
ベジャールの項でも触れた金森穣は、日本で唯一の公立劇場専属舞踊団として、新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあを拠点に活動するNoismを、04年以来牽引。新潟市の財政難による存続の危機を乗り越えて、今後もダンス界をリードしていってくれることを期待する。
Noism『Fratres III』
すでに規定の字数の倍以上になっているので、ここで筆を置くことにするが、まだまだダンス界では才能が多数活躍し、あるいは新たに生まれている。読者の皆さんにはぜひ、その目撃者になってほしい。