独立してロンドン街へ、そしてショーソンのおかげでグレードアップ

1892年末には両親の家を出て、ロンドン街42番地の屋根裏部屋に引っ越しています。サン=ラザール裏の治安のよくない地区で、訪問した友人によれば、「片足のテーブルと藁のはみ出た椅子3脚、どうやらベッドらしくみえる物体、一台の借り物ののプレイエル」が置かれていたそうです。このピアノで、名作《牧神の午後への前奏曲》が作曲されました。

ドビュッシー《牧神の午後への前奏曲》

ロンドン街42番地

彼の才能を高く評価した先輩のショーソンが援助して、1893年7月に「シックなカルティエ」17区のギュスタヴ・ドレ街10番地に移り住みます。中庭に面した6階で、玄関と家具つきの3つの部屋があったといいますから、大分グレードアップしたわけです。

ギュスタヴ・ドレ街10番地

ロンドン街42番地
ギュスタヴ・ドレ街