
——オフの日の過ごし方は?
鎌田 実は僕、楽器ケースを開けることすらしないんですよ(笑)。
——意外です!
鎌田 もちろん、学生時代は何時間も練習していましたが、仕事としてホルンを吹くようになり、ペースをつかんでからは、あえて吹かない日が増えましたね。もちろん、すごく大切な本番や、ホルンの難しい箇所がある作品を控えていたら、オフを返上で練習します!
——練習や本番において、ルーティンはありますか?
鎌田 ルーティンを作らないことがルーティンかもしれません。
ホルン奏者の中には、やっぱり金管楽器は音を外してしまうと目立ちますし、コントロールも難しいので、きっちりウォーミングアップに1時間以上を費やす方も多いです。僕もかつてはそうしたいと思っていましたが、もしも交通機関が遅延するなどのイレギュラーが発生して、ルーティンにしていたウォーミングアップができていなかったから、いいパフォーマンスができなかった……となってしまうことに抵抗があるんですよね。
料理をしたり、自転車を漕いだり、お話をしたり、といった生活の一部として楽器を吹きたいと思っています。そうして自然体のまま吹くほうが負担にもなりませんし、僕にとってはそれがいいパフォーマンスにもなると思っています。
——元々は映画がお好きで音楽を始めたとおっしゃっていました。今も映画はお好きですか?
鎌田 はい、東京で映画音楽を演奏するアンサンブル「FILM BRASS」を立ち上げたくらいです。金管13重奏で演奏する団体なのですが、この編成で演奏できる映画音楽なんてなかなかないわけで、自分で編曲を手掛けることも。人生において多くの時間をこの活動に費やしています。
ちなみに、好きな作品は『男はつらいよ』。日本の原風景や人情を感じられて、どの作品も心が温かくなります。50本以上あるのですが、すべて複数回以上観ていますね。

鎌田 他にも、登山が好きです。日本百名山のうち、24は登りました。この前のオフは、長野の山々で遊んで、地元の神奈川県に帰る、という3日間の旅をしました。
山の景色は僕にとって大切なインプットになっています。たとえば、R.シュトラウスの描きたかった山の景色を知りたかったら、いろんな山の姿を知っていた方がいいですよね。ヘリコプターから見た頂上の姿だけでなく、霧や雨のなか濡れながら苦しい思いで見た頂上からの景色も知っている方が、見え方はまったく異なります。
そういった意味で、いろんな経験を肌で感じることは大切ですし、たくさんの景色をいつも探している気がします。
——音楽とそれ以外の営みが、いい循環で巡っているのですね。最後に、今後の目標を教えてください。
鎌田 今、日本センチュリー交響楽団のホルン奏者は僕1人なんです。今後は人数を増やして、センチュリーならではの骨太な腰を作っていけたらいくのが目標です。
また、個人的にはいつも笑いながら生きていきたいと思っています。クラシックには、激しい音楽や苦しい音楽など、さまざまな音楽があります。いかなる音楽を演奏しようとも、それらの根底にはまず自分が楽しい毎日を過ごしておくことが大切かなと。何があっても笑いながら日々を過ごしていきたいですね。
第294回 定期演奏会
日時:2025年11月28日(金) 19:00開演
会場:ザ・シンフォニーホール
曲目:
ペルト:カントゥス – ベンジャミン・ブリテンの思い出に
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品15
ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 作品92
出演:
指揮:アルヴォ・ヴォルマー
ヴァイオリン:金川真弓
センチュリー豊中名曲シリーズ Vol.36 「月」冬の満ち欠け
日時:2025年12月13日(土) 15:00開演
会場:豊中市立文化芸術センター 大ホール
曲目:
ドビュッシー(クロエ、カプレ編):ベルガマスク組曲
ベーメ:トランペット協奏曲 作品18 ヘ短調
チャイコフスキー:交響曲 第1番 ト短調 作品13 「冬の日の幻想」
出演:
指揮:大友 直人
トランペット:児玉 隼人
第295回 定期演奏会
日時:2026年01月17日(土) 14:00開演
会場:ザ・シンフォニーホール
曲目:
久石 譲:Encounter for String Orchestra
久石 譲:ハープ協奏曲
ベートーヴェン:交響曲 第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」
出演:
指揮:久石 譲
ハープ:エマニュエル・セイソン
詳しくはこちら




