——山田さんは企画面でもいろいろと面白いアイデアを出されますが、そういうところからも刺激を受けている?
山田 クリエイティブなことを自分がやりたいなと思ったら、すでにあるクリエイティブなものに触れていかない限りは難しいですよね。それが生きるパワーになる。ないものを生み出そうというのは、生きるパワーの発露じゃないですか。じゃあそのエネルギーの源はなにかというと、他の人からの刺激になるんだと思う。だって岡本太郎だってピカソという存在に出会わなかったら、ああはなっていなかったでしょう。若い頃のピカソだってそう。
結局ね、人って人からの影響で生きている。だからいっぱい影響を受けたいんですよね。その人の生命力に触れたいという。映画ひとつとっても、映画監督の生命力だし、俳優さんやカメラマンさんの生命力だし。それに触れているからこそ自分も生命力あるものができるんだと思います。
——先ほどでいうと、ベルリン・フィルの生命力を山田さんがキャッチして、それを客席に届けるという。
山田 そうそう。いい音楽をやっていると、やっぱり生きててよかったなと思うじゃないですか。生命力のキャッチボール。昨日なんてまさにそう思いましたね、こんな世界があるんだって。