クリエイティビティの源は 人からの刺激

——山田さんは企画面でもいろいろと面白いアイデアを出されますが、そういうところからも刺激を受けている?

山田 クリエイティブなことを自分がやりたいなと思ったら、すでにあるクリエイティブなものに触れていかない限りは難しいですよね。それが生きるパワーになる。ないものを生み出そうというのは、生きるパワーの発露じゃないですか。じゃあそのエネルギーの源はなにかというと、他の人からの刺激になるんだと思う。だって岡本太郎だってピカソという存在に出会わなかったら、ああはなっていなかったでしょう。若い頃のピカソだってそう。

結局ね、人って人からの影響で生きている。だからいっぱい影響を受けたいんですよね。その人の生命力に触れたいという。映画ひとつとっても、映画監督の生命力だし、俳優さんやカメラマンさんの生命力だし。それに触れているからこそ自分も生命力あるものができるんだと思います。

——先ほどでいうと、ベルリン・フィルの生命力を山田さんがキャッチして、それを客席に届けるという。

山田 そうそう。いい音楽をやっていると、やっぱり生きててよかったなと思うじゃないですか。生命力のキャッチボール。昨日なんてまさにそう思いましたね、こんな世界があるんだって。

山田和樹 公演情報
山田和樹指揮 バーミンガム市交響楽団

2025年6月30日(月) 19:00  東京オペラシティ コンサートホール

シェク・カネー=メイソン(チェロ)出演

2025年7月1日(火) 19:00  サントリーホール

河村尚子(ピアノ)出演

2025年7月2日(水) 19:00  サントリーホール 

イム・ユンチャン(ピアノ)出演

2025年7月5日(土) 15:00  ロームシアター京都 メインホール 

シェク・カネー=メイソン(チェロ)出演

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山田和樹指揮 バーミンガム現代音楽グループ

2025年6月30日(月) 18:00 東京オペラシティ リサイタルホール

出会ユキ(笙)

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中村真人
中村真人 音楽ジャーナリスト、フリーライター

1975年、神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、2000年よりベルリン在住。著書に『新装改訂版 ベルリンガイドブック 歩いて見つけるベルリンとポツダム...