バボラークに「ベルアップちゃん」と呼ばれる

——楽器以外の趣味は?

会田 水泳をずっとやっていたので泳ぐのは好きです。あと、カフェ巡りが好きです。紅茶のアールグレイが大好きで、アールグレイのものは絶対に買っちゃう。アールグレイのものがあると、みんな「見つけたよ」ってくれるんです。

インスタで食べ物専用のアカウントを作っていて、最近はあんまり更新してないけど、食べることは好きです。お酒も飲みます。数年前に祇園のバー巡りをしたこともあって、面白かったです。

——ご自身の性格を一言で表すと?

会田 うーん、一言で表すと……明るいかな(笑)。暗くはない。

団員に「莉凡ちゃん、いつ見ても精神的に安定してる」って言われたことがあります。「あんまり落ち込んでるのを見たことない」って。そんなつもりはないのですが、わりといつも気の赴くままに生きてる感じがしますね。

——今後、音楽家としてチャレンジしたいことはありますか?

会田 なんでしょうね……この間も「夢ありますか?」って聞かれて、今が充実しすぎているくらいだと感じていたので、「ないです」って答えちゃったんですけど(笑)。やっぱり「あの曲を一度はやってみたい」っていうのはありますね。オーケストラじゃないと弾けない曲がたくさんあって、それをやるために私はオーケストラに入りたいと思ったので。だから、オーケストラは続けていきたい。

——具体的にやってみたい曲は?

会田 好きな作曲家は、マーラーとブルックナーとワーグナーとリヒャルト・シュトラウスです。だから、その辺の曲はやりたいですね。血が騒ぐんですよ。

ブルックナーは、セカンドヴァイオリンも楽しくて楽しくてたまらないです! 「刻みがやだ」って言う人の気が知れない!(笑)自分の音が聞こえるというよりは、「自分が音楽の一部になってる」感じが本当に楽しくて。

サイトウ・キネン・オーケストラで、マーラーの「交響曲第9番」をファーストヴァイオリンのいちばん後ろで弾いたのですが、ほんとうに楽しくて音楽に没頭して弾きまくってて。そしたら、ホルンのラデク・バボラークさんにパーティーで「君が楽器をあげて弾いている姿がホルンのベルアップみたいだから、これからベルアップちゃんって呼ぶよ」って言われました(笑)。ハープ越しに私が見えていたらしくて。(註:ベルアップとは、曲中の盛り上がる箇所などで管楽器を持ち上げる動作のこと。90度以上の角度をつける)

今でも「ベルアップちゃん元気?」みたいに言ってもらっているそうで、マネージャーの方から「ベルアップちゃんって言ってましたけど、会田さんのことですよね?」って連絡が来たこともありました(笑)。

出演情報
飛騨マスター・プレイヤーズによる「真夏の夜のコンサート」

日時: 2025年8月8日(金)18:30開演

会場: 飛騨市文化交流センター スピリットガーデンホール

出演: 金木博幸、川田知子、須田祥子、黒木岩寿、会田莉凡、ほか

曲目: ブラームス/クラリネット五重奏曲第1楽章、喜歌劇《こうもり》序曲、ほか

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Quartet Sperior ベートーヴェン弦楽四重奏団全曲演奏会 Vol.6

日時: 2025年8月18日(月)19:00開演

会場: プリモ芸術工房

出演: 会田莉凡、平塚佳子(ヴァイオリン)、須田祥子(ヴィオラ)、清水詩織(チェロ)

曲目: ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第3番、第13番

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取材・文
三木鞠花
取材・文
三木鞠花 編集者・ライター

フランス文学科卒業後、大学院で19世紀フランスにおける音楽と文学の相関関係に着目して研究を進める。専門はベルリオーズ。幼い頃から楽器演奏(ヴァイオリン、ピアノ、パイプ...