音楽で灯し続ける、愛と平和の願い

——毎年開催されている「愛と平和への祈りを込めて」は、今年で15回目の節目を迎えますね。

森: このシリーズが始まったのは、2011年の東日本大震災の年でした。最初はレクイエムのような曲を多く取り上げていましたが近年では、平和や祈りの中にも、もっと穏やかで愛に満ちた選曲も増えてきました。今年のテーマは「幸せを夢見るヒロインたち」。一生懸命に愛を持って生きている女性たちのアリアを中心に選んでいます。今の時代だからこそ、そんな想いを音楽に込めたいと思っています。

——リサイタルシリーズを通して、ピアニスト・山岸茂人さんとのアンサンブルにも変化はありましたか。

森: そうですね。山岸さんは毎回、素晴らしい演奏をしてくださいます。本番で、リハーサルとまったく違う歌い方をしてしまうこともあるのですが、それでも「ここぞ」というところで、ぴたりと合わせてくださいます。それは、ほんとうにすごいことで、山岸さんの天才的な感覚や相手に寄り添う力の賜物だと思っています。技術はもちろん、何より信頼できる大切な存在です。

リサイタル情報
森麻季 ソプラノ・リサイタル

愛と平和への祈りをこめて Vol.15
幸せを夢見るヒロインたち~伝えたい美しい詩  Beautiful Songs

 

日時:2025年9月13日(土) 14:00
会場:東京オペラシティ コンサートホール
出演:森麻季(ソプラノ)、山岸茂人(ピアノ)
曲目・演目:
グリーグ:「ペールギュント」より “ソルヴェイグの歌”
ドヴォルザーク:「ルサルカ」より “月に寄せる歌”
プッチーニ:「蝶々夫人」より “ある晴れた日に”
マスネ:「タイス」より “タイスの瞑想曲にのせて” 
あなたは覚えているかしら? あの光輝く旅を
カントルーブ:「オーヴェルニュの歌」より “バイレロ”
レーフィチェ:“雲の影”
グノー:「ロミオとジュリエット」より “愛よ、私を勇気づけて”
など

寺田 愛
寺田 愛

編集者、ライター。女性誌編集、ECサイト編集・ディレクター、WEBメディア編集長、書籍編集長などを経て現在。はじめてクラシック音楽を生で聞いたのは生後半年の頃。それ以...