美しさの秘密にも迫ります!

40.  美髪の秘訣は?

服部 何もないです! シャンプーしてリンスするだけです。今人生でいちばん伸びちゃってると思うんですけど、美容院に久々に行くと、切るのがもったいなくなっちゃうんですよね。30cmくらい切ったらドネーションができるから、それまで待とうと思っています。

——乾かす前にトリートメントは?

服部 してないしてない。なんなら乾かしもしないですね。乾かすのめんどくさいんですよ。頭を真下に持っていって前屈体勢で長時間乾かさなきゃならないし。わりとすぐ乾く髪質なので、タオルで水気を切って、タオルにくるんだまま寝落ちしてたりするので、朝起きるとワカメみたいに癖がついていたりもします(笑)。

——ワカメは朝ブローして伸ばすんですか?

服部 伸ばさないです。起きて、とかす。とかすと大体のくせは取れます。

41. メイクはご自分でされているんですか?

服部 はい。舞台は白光りするし、血色が普通の顔でも蒼白に見えるくらい明るいから、けっこうはっきりしたメイクをしています。バレエのときのメイクを思い出しながら、あとはアー写を撮ってもらったときのメイクさんがとても上手な方で、いろいろ教えてもらって練習しました。

恋人も音楽家がいい? 恋愛について深堀り!

42. 好きなタイプは?

服部 物事を打算で考えない人ですかね。正直な人がいいです。恋愛をビジネスの中に入れようとしない人。自分の力を表現するために、自分がいい男であることを演出するための女性の存在とか、そういうライフスタイルを好まない人。一昔前のプレイボーイのような方たちは好きではないです。

——相手も音楽家がいいですか?

服部 音楽の話で気が合うポイントが多ければ多いほど、私は心を開く傾向にあります。ありますが、果たしてそれがいいのかはわからない。付き合ってみないとわからないですね。逆に音楽家じゃない人と付き合ったこともないし、嫌だったら別れればいいんだからと思ってます(笑)。

——音楽の話がマストではない?

服部 でも8割音楽で生きてきている人間としては、音楽に携わってない人にしろ、音楽を愛してくれないと難しいだろうなと思います。でもわかんない、現場でやっている人のほうが話は合うのかな……。

43. 理想のデートは?

服部 その人と話したり一緒にいられるならどこでもいいです。行きたい場所は9割くらい、1人か友達と行けばいいと思うので、とくにないかもしれないです。とりあえずいっぱい話したいですね、腹を割って(笑)。だから喫茶店とかかな?

44. 恋愛は演奏に影響する?

服部 あると思います。恋しているときとしていないとき、恋していてこじれているときとうまくいっているとき、どれも全然違いますね。恋愛しているときは、うつつを抜かしたと言われたくないから、練習に5倍も6倍も気合いが入ります。

後進へのメッセージ「音楽以外のいろいろなことで刺激や感動を味わって」

45. オフの過ごし方は?

服部 スキーに行ったり、山に登ったり、海に入ったりします。外に出るオフと、インドアなオフがあります。家にいるときには寝るのが好きなので、布団の中で本を読んでいます。

46. 続けているエクササイズや健康法は?

服部 毎日30分朝と夜に運動をしています。自分でできるスクワットや腹筋をやっています。継続していると調子いいです。

47.刺激を受ける場所は?

服部 自然の脅威とか自然の雄大さを見られるところです。自分でそれをとことん味わって、感動したり、心が動く。もう一つはこの人の価値観を全部信じて乗っかってみてもいいかなと思う人がいたら、その人とじっくり話すこと。

48. 犬派? 猫派?

服部 猫派ですが、犬も飼ったらハマるかもしれないです。いずれ大型犬も飼ってみたいです。シベリアンハスキーとか好きです。

49. 朝型? 夜型?

服部 決めたら何時まででも起きているし、どんな時間でも起きようと思ったら起きます。

百音さんと愛猫シャガールくん
インタビュー中にも何度か様子を見に来てくれました

50. 最後に、これから音楽家を目指す人に向けてアドバイスは?

服部 10代で技術を習得しようとしているときや、コンクールざんまいのときなど、この世界だけが自分のすべてだって思い込んでいる時期もあると思うのですが、人生は思っているほど短いわけではありません。死ぬまでこれだけでいいと思う気持ちや熱量はもちつつ、物理的にそうするかどうかは、ちゃんと考えたほうがいいと思います。

あと、音楽以外でいろいろな刺激や感動を味わったとしても、それは楽器を弾くときに還元されます。2倍にも3倍にもなっていい音楽として出すことができるから、罪悪感などを抱かないこと。血眼でさらっていないと恐怖を感じ、そこに自分を置いておかないと罪悪感で悶えてしまう友達もいますが、私の場合、もし本当に明日で人生が終わりだとして、「本当に自分の芯から満たしたい気持ちが満たせたんですか?」と質問したら、答えはNoだったから。

他のところでいろいろな経験をすることが大事なのであって、何をしたらいけない、何をしたらいいとかではありません。そのペースも人によって違うし、どういう時期に何をしたいか、引っかかるポイントもそれぞれ違うから、自分のことをよく知る必要があります。両親が言うことや先生が言うことを受け止めて、染まりきるばかりではなくて、同時に自分のことをいちばんわかっている状態でヴァイオリンを弾くと、音楽が楽しくなるかなと思います。

公演情報
Storia IV supported by SGC

日時: 2025年9月2日(火)19:00開演

会場: サントリーホール 大ホール

出演: 広上淳一(指揮)、服部百音(ヴァイオリン)

曲目: プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 作品19、ストラヴィンスキー/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調、ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77

詳しくはこちら

三木鞠花
三木鞠花 編集者・ライター

フランス文学科卒業後、大学院で19世紀フランスにおける音楽と文学の相関関係に着目して研究を進める。専門はベルリオーズ。幼い頃から楽器演奏(ヴァイオリン、ピアノ、パイプ...