——話題のミュージカルに数多く出演されていますが、とくに思い入れのある作品は？

廣瀬　どの作品にも思い入れはありますが、ここ最近でいうと読売演劇大賞をいただいた『モダン・ミリー』。それまで僕は“二枚目”とか“高貴な役柄”とか“色気がある”というイメージを持たれていたと思うんです。でも、この作品でまったく違うタイプの役柄で賞を得られたことは、本当に嬉しかったし、ありがたかったですね。周囲の見方を含めて確実に何かが変わった作品です。

——では廣瀬さんにとって、ミュージカルの舞台ならではの魅力とは？

廣瀬　ミュージカルはお客様の楽しみ方の種類が豊富ですよね。一つの作品の中に、ダンス、歌、芝居と、エンターテインメント要素がたくさんある。ただ、演じる側としては、これほど大変なことはないんです（笑）。ダンスをしながら歌も歌って、お芝居もしなければいけない。ほんとに自分が出演してもいいのかと悩むほど、毎回必死に取り組んでいます。あと、ミュージカルの魅力は曲の力。それは舞台に出るたびに感じます。

——最後に、これから『スリル・ミー』をご覧になる方にメッセージをお願いします！

廣瀬　これは本当に個人的な意見ですけど、『スリル・ミー』はこの作品を見たお客様が、そのとき受け取ったものがすべてだと思っています。大阪や福岡、名古屋、群馬とまた劇場も違いますので、舞台の雰囲気も変化するんじゃないかなと。今のところ僕の「彼」は“怖い”と言われているようなので（笑）、本当にそうなのか、ぜひ劇場で確認してください。