そして興味深いのは、次の仲道のひと言。
仲道「ベートーヴェンが亡くなる時に『喜劇は終わった』と呟いたそうですが、ベートーヴェンにとって生きるということ、音楽を書くということは、もしかしたら人生をもある種『劇』のようなものと、俯瞰した目で捉えていたのかもしれないとも想像します」
ベートーヴェンがシェイクスピアに傾倒していたのは事実で、劇音楽もゲーテ作の『エグモント』、古代ローマの英雄をテーマにした『コリオラン』への序曲など、多くの例が見つかる。
ピアノ・ソナタの中にも新たな光を投げかける仲道。長い道のりを歩む旅人としての彼女の視線の先には、新しい世界への入り口が見えているのかもしれない。
日時:2023年6月3日(土)14:00
会場:サントリーホール
曲目
べートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第19番 Op. 49-1
べートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第20番 Op. 49-2
べートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第18番 Op. 31-3
シューマン:パピヨン Op. 2
シューマン:謝肉祭 Op. 9
問合せ:ジャパン・アーツぴあ 0570-00-1212
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