——コントラバスの役割についてどのように考えていますか。
藤井: 低音で支えるのはもちろんですが、それだけではありません。ピッチカートひとつでも、タイミング次第でオーケストラ全体の空気を壊してしまうこともあるし、逆にその一音がうまく決まると、全体の流れがぐっと動き出すこともあるんです。だからこそ「こっちを聴いて!」という気持ちで、時にはオーラを出して弾いています(笑)。コントラバスは地味に見られがちな楽器ですが、実はオーケストラを動かすおもしろさがあるんですよ。
——本番では緊張しますか。
藤井: すごく緊張します。同じパートに6〜8人いますが、舞台上で心臓がバクバクしてることはよくあります。大きな音でも小さな音でも、要所ではやっぱり緊張しますね。