高い表現力と圧倒的な歌唱力に会場が酔いしれた

衣装チェンジのために退席すると、再びスパイに扮したパク・ヒョンシクの映像がスタート。“おふざけレターにたえろ”というミッションが与えられ、猫の耳のカチューシャをしながらファンレターを読み、チャーミングな一面を披露した。

さわやかなボーダーニットに着替えたパク・ヒョンシクが再びステージに登場すると、悲鳴にも似た歓声がわき上がり、熱気に包まれたまま第2部が幕を開けた。最初のコーナーは「暗号(日本語)解読能力テスト」。スクリーンに映し出された日本語を、客席からひとり選んでヒントを出してもらい、その日本語の意味を当てるというもの。2つ目は、事前に募集した質問に答えるというもので、ともにファンとの交流を楽しんだ。

途中、昼公演でファンからリクエストされたというミュージカル『エリザベート』でトート役を務めたときに歌った独唱《闇が広がる》を、夜公演でも特別に即興で披露。先の3曲とは異なる絶妙なブレスコントロールと情緒豊かな表現、圧倒的な歌唱力で、ミュージカル俳優としての能力の高さを証明した。韓国では日本以上にミュージカルの人気が高く、近年では韓国オリジナル作品が海外で上演されるほど世界的にも注目を集めているが、それに伴い当然パフォーマンスの高さも求められる。その中で、長年ミュージカル俳優としても活躍してきたパク・ヒョンシクの才能が垣間見えた瞬間だった。

最後に聞かせてくれたのはスキマスイッチの《奏》。ここでも言葉の一つひとつを丁寧につむぎながら、歌詞がすっと入ってくるような表現力、演技力の高さを見せつけた。

最初から最後まで、歌とトークで笑顔と笑い、そしてファンへの愛を届け続けたパク・ヒョンシク。常に3階後方にいるファンにも気を配り、客席から飛ぶ声にも丁寧に応えるほど、真摯で誠実な姿勢は、会場にいた全員のみならず、これからも多くの人たちを魅了し続けていくに違いない。「みんなで愛し合おう」を人生のモットーに掲げている彼ならではの温かい空気が、NHKホールに満ちていた。

このファンミーティングの様子は、5月19日、CS放送テレ朝チャンネル1で、正午から放送予定。

また、日本公式ファンクラブのオープンを記念し、4月27・28日に大阪オリックス劇場、30日に幕張メッセ幕張イベントホールにてスペシャルイベントが行なわれる。イベントの詳細を知りたい方はこちらをぜひチェック!

会場に詰めかけた約3,800人のファンとのフォトセッション
鈴木啓子
鈴木啓子 編集者・ライター

大学卒業後、教育系出版社に入社。その後、転職情報誌、女性誌、航空専門誌、クラシック・バレエ専門誌などの編集者を経て、フリーに。現在は、音楽之友社にて「ONTOMO M...