バリアフリーコンサートに込めた思い

今、僕は「バリアフリーコンサート」という公演を行なっています。僕の息子には障がいがあり、息子を病院に連れていくうちに他の障がいのあるお子さんやその家族とも出会い、そこにたまたまピアノがあったので、僕はごく自然にピアノを弾き始めた。それが、バリアフリーコンサートの始まりでした。

障がいの有無や年齢に関わらず楽しめるバリアフリーコンサートですが、障がいに対する偏見は、まず「知らない」ということから始まると思うんです。障がい者と関わったことがない方も、このコンサートで障がいのある子の姿を見て「あっ、こんな子もいるんだ」と気づくだけで、意識が変わるのではないか。

何しろ、僕自身も息子とともに病院や特別支援学校に行って、初めて「ああ、こんな子もいるんだ」と知り、意識が変わったので。今は「そりゃそうだよね、世の中にはいろいろな人がいるから」と思いますけど、子育てって親が学ぶことの方が多いと感じますね。

楽譜情報

レ・フレール 斎藤守也の 童謡アレンジで楽しく学ぶ「左手のための伴奏形エチュード」

斎藤守也作編曲/山本美芽 ききて・まとめ

定価2,200円、菊倍判、64頁

 

ポップスの8ビートやシャッフルなどを格好良く演奏するコツを盛りこんだ「左手のための伴奏形エチュード」集。様々な伴奏パターンで素敵にアレンジされた《山の音楽家》などの童謡やオリジナル曲を全14曲収載。楽しく弾くうちに左手の強化・脱力を学ぶことができ、伴奏パターンの応用でどんな曲でも簡単に伴奏付けできるようにもなる。難易度は初中級程度。人気コンポーザー・ピアニストの音楽観や伴奏パターンごとの演奏ポイント、左手の脱力法を紹介した充実の解説も必読。

小島綾野
小島綾野 音楽ライター

専門は学校音楽教育(音楽科授業、音楽系部活動など)。月刊誌『教育音楽』『バンドジャーナル』などで取材・執筆多数。近著に『音楽の授業で大切なこと』(共著・東洋館出版社)...