音ゲーもなるべくいい音で! スピーカー作りに初挑戦

さて、世はハイレゾ時代(と無理矢理話を変える)。いくらスマホ自体が「ひとつの楽器」とはいえ、やはりあの小さな筐体から出せる音の幅には限界があります。「デレステ」の素晴らしい楽曲の数々を、できれば大音量で、できる限り高音質で鳴らしたい! とはいえ、あまり本格的に鳴らしてしまうのも、どこかそぐわないのです。かつて自宅の仕事用オーディオ機器とスマホの直付けを試したこともありますが、ゴージャスに鳴り渡る楽曲と、落ちてくる球体を手許でチマチマと叩き続けるマクロとミクロの差に苦笑せざるを得ませんでした。やはり大音量で、そして高音質で、とは言っても、おのずと限界はあるものです。

そんなときに、どこからか天の声が(註:編集部の声)。「うちのスピーカー組み立てませんか?」おお、そういえば「Stereo」誌でそんな企画があったような(連載書いてるくせにすっかり失念していた)、と思い返していたら、いまそれらのキットはオンラインショップ「ONTOMO shop」で単品発売しているのだとか。ちょうど自宅引きこもり生活中で普段より時間はある。決して器用なタイプではないけど挑戦してみようか、ということで、ちまちまと「ダブルバスレフスピーカー・キット」を、組み立ててみました。木工用ボンドで接着するときにやや失敗し、少しずれてしまっているのはご愛敬(不器用なので)。

ダブルバスレフスピーカー・キット(写真手前)
価格:3,500円(税抜)
スキャンスピーク製 5cmスピーカーユニットが付属するコンパクトでコストパフォーマンス抜群のダブルバスレフ方式スピーカー。

スピーカー・キットを組み立ててみた

木工用ボンドとプラスドライバーさえあれば、初心者でも簡単に組み立てられる。
まず、4面分の板がつながった状態になっているので、接続部分のボンドを塗って箱にする。
板と音道になる筒をつけて、箱の内部を2部屋に。吸音材も貼る。
背板にスピーカーケーブルとスピーカーユニットをつなげるためのターミナルを取り付ける。
前板とスピーカーユニットをつけて完成。ボンドが乾いたらテープははがします。

このスピーカーでiPhoneの音を鳴らすには、

1:iPhoneからLightning端子→USBポート経由で取りだしたデジタルの音データをアナログに変換するUSB-DAC(デジタル・アナログ・コンバーター)

2:そのアナログの音をスピーカーに伝えるアンプ

が必要です。

ONTOMO Shopでは、以前「Stereo」誌で付録としていたLuxman(ラックスマン)社製のUSB-DAC(LXU-OT2)デジタルアンプ(LXU-OT1)も販売されています。いちおうお断りを入れておくと、オーディオ・マニアの世界では、ラックスマンといえば泣く子も黙る、格さんの差し出す印籠も真っ青な老舗中の老舗メーカー。その製品がこの値段で手に入ってしまうのはちょっと驚愕です。

基盤剥き出しなのが気になる方向けにケースも売っていますが、これはむしろ剥き出しで使うほうがカッコイイのでは、と謎の見栄を張ってそのまま使っています。付属している「足」を使うと、上にアンプ、下にUSB-DACを直接連結することができます。

いざ、ダブルバスレフで音ゲーをプレイ!

そう、これくらいの規模で鳴らすほうが、スマホの画面の世界観と音楽がピッタリ! では早速! と意気込んだものの、iPhone 11 Pro Maxからの電力ではLXU-OT2を駆動することができず(基本的に本機はPCにつなぐ仕様)、仕方ないので手持ちのポータブルアンプSony PHA-3(現在は生産終了)の助けを借りました。

自作のスピーカーにスマホをつないで「デレステ」……ただならぬ雰囲気を感じます。

PHA-3のミニジャック端子から、変換ケーブルを用いてLXU-OT1のRCAコネクタへ接続し、スピーカーを鳴らしてみました(せっかく2階建てにしたのに、下のLXU-OT2は結局使わずじまい)。おお、デレステのオープニング画面で聴こえる「アイドルマスター! シンデレラガールズ! スターライトステージ!」の声が、キラキラと華やかになりました。普段スマホのスピーカーから鳴り渡る音楽にも、暖かみが加わったようにも感じられます(思い入れ補正がかかっている可能性はなしとしませんが)。

ここでは、数あるすぐれた楽曲から、私が愛してやまない「咲いてJewel」(作詞・作曲:俊龍、編曲:Sizuk)をプレイ。途中、止めながら写真を撮っているのでスコアがヒドいことになっていますが、普段はMasterやMaster+レベル(上級・超上級レベル)で、ちゃんとフルコンボ(すべてGreat以上の判定で楽曲をクリアすること)できるんですよ……信じて……。

フルコンボの証拠写真。Master+レベルではないのがビミョー。

普段は画面に没入するようにしてプレイしている状態から、もう少し広い空間へと解き放たれた感じ。まさにゲームセンターで「太鼓の達人」をプレイするような、そんな類の体験に近い、と言えるでしょう。できれば自分の2メートル四方くらいを囲むようなテントに入って没入したいところですが、これはこれで病みつきになりそうです。