「ステージプラス」でしか見られないお宝映像が続々と

次に「最新アーカイブ映像」のコーナー。これまでのライブ中継を編集したものだけでなく、カラヤンの往年の映像などを修復したものもある。ジャンルは幅広く、収録場所もアーティストもさまざま。

当時クラシック・シーンで圧倒的な存在感を確立していたアンネ=ゾフィー・ムターとカラヤン&ベルリン・フィルとのベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」の演奏映像(1984年2月収録)。ステージプラスでは、このような歴史的映像もふんだんに用意されている

そのなかに、2020年8月に収録された「藤田真央 ピアノ・リサイタル in ベルリン」を見つけた。DVDでは発売されていないが、4K対応の高画質で、音質も申し分ない。モーツァルトのソナタでの軽やかなタッチとみずみずしい生命力など、藤田ならではの魅力がとらえられている貴重品だ。

このように「ステージプラス」ならではのものもあれば、ユジャ・ワンとドゥダメル指揮ロサンジェルス・フィルによるラフマニノフのピアノ協奏曲全集ほかのように、今年秋にCD化が予定されている公演の映像(154分)もある。

ユジャ・ワンがピアノを弾く手元、天井からの俯瞰など、カメラワークも自由自在でダイナミック。ステージプラスでは現在、約400本のコンサートやオペラの映像、ドキュメンタリーを見ることができ、今後も続々とアップされる 

私のようにCDへの愛着がまだまだ強い人間は、音だけのCDもフィジカルで所有して楽しみたい。しかしときに、映像も見てみたくなることがある。そんなときはこのサイトで見ればよいわけだ。

こんなふうに、従来のCDや映像ソフトと対立するのではなく、ゆるやかに、自然につながっているように感じられるのが、「ステージプラス」の特徴であり、魅力なのではないだろうか。

重要なのは、新しい映像に4K対応が含まれていたり、アルバムはドルビーアトモス対応と、高画質と高音質にこだわろうとしていること。往年の名盤も、オリジナルの生々しい響きの修復を行なうなど、オーディオ・マニアの厳しい要求に応えられるクオリティを整えようとしている。