タンゴを覚えれば、世界中に友だちができる

――さて、読者の中にはこれからタンゴを始めてみようか、という方もいると思います。例えばおふたりのスタジオ「ブエノス・アイレス」には初心者も多いのでしょうか?

ナオ 未経験の方も多いですよ。年齢的には30~50代が中心ですね。いちばん上は80歳の方がいらっしゃいます。もちろん、ミロンガも開催していますよ。夜は割と遅めの時間帯にやるのですが、主婦の方でも参加しやすいように平日の昼間にもやっています。もっとも、現在は新型コロナウイルスの影響で、皆さんが思うような活動をできているわけではないのですが。

――改めて、タンゴを始めるとどんないいことがあるでしょう?

ナオ 世界文化遺産に登録されていることからわかるように、タンゴは世界中に愛好者がいて、どの国に行ってもミロンガが開催されています。ですから、海外旅行に行って、滞在先でミロンガに参加することもできるわけです。タンゴを覚えれば、たとえ言葉が話せなくてもミロンガを通じてタンゴで交流できる。世界中に友だちができますよ。

クリスチャン アルゼンチンでは「タンゴは心臓にいい」ってよく言われるよ。心臓が悪い人にはタンゴを勧めることが多い。あと、パーキンソン病の人にも。集中とリラックスを繰り返すのがいいのかな。健康にいいということだよね。

ナオ さっきクリスチャンも言っていたけれど、2人で組んで踊ると、本当に身体で会話をしているみたいなんです。これは、ひとりだけでは絶対に感じられないもの。もし興味があったら、ぜひミロンガに遊びに来てみてください。別に踊らなくても参加できますから。

山﨑隆一
山﨑隆一 ライター

編集プロダクションで機関誌・広報誌等の企画・編集・ライティングを経てフリーに。 四十の手習いでギターを始め、5 年が経過。七十でのデビュー(?)を目指し猛特訓中。年に...