——豊増先生は、やはり征爾さんの才能を見抜いていらしたのでしょうね。
龍子 家庭では音楽のことは何も話さない、かなり厳しい人でしたので、お弟子さんたちのことも何も聞いたことはないのですが、やはりそれぞれがそれぞれの場所で後に活躍されたことを見ると、才能を見る目は父にあったのだなと思っています。
——小澤征爾さんの死はとても悲しい出来事でしたが、今回、改めて小澤さんのピアノの先生である豊増昇さんの巨大な業績の一部が録音として蘇ることになりました。
戦前からのヨーロッパでの活躍、そして戦後もベルリン・フィル・デビュー、日本でもバッハ全曲演奏会*やベートーヴェン全曲演奏会**など、多くの素晴らしい演奏をなさっていたことを知りました。
録音も当時の音としては素晴らしい状態で残っており、音楽ファンの皆さんに、その音楽性を知っていただけたらと思います。ありがとうございました。
*バッハ全曲演奏会:バッハの鍵盤作品の全曲演奏会
**ベートーヴェン全曲演奏会:ベートーヴェンのピアノ・ソナタおよびピアノ協奏曲の全曲演奏会
【収録曲】
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調より第3楽章サラバンド
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74《悲愴》
収録:2008年1月28日、ウィーン、ムジークフェラインザール(ライヴ)
【演奏】
小澤征爾(指揮)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)
【商品番号】
ブルーレイディスク KIXM-587
詳細はこちら