

——お休みの日は何をして過ごしていますか。
荒木 つまらない答えになってしまいますが……(笑)、ほとんどはリード作りに時間を使います。オーボエはリードによって音や吹き心地が大きく変わるため、日々の演奏に直結する大事な作業です。
ただ、ずっと作業をしていると頭も肩も固まってしまうので、3日間お休みがあれば、1日は自然の多い場所へ出かけることもあります。近場の山や海に行って、英気を養って帰ってきます。
——楽員のなかで、仲のいい方はいますか。
荒木 オーボエの浦脇健太さん、トランペットのローリー・ディランさんとは仲よくさせてもらっています。楽屋で世間話をしたり、一緒にゲームをしたり、休憩中や移動の合間はリラックスして冗談を言い合える関係です。
——ゲームが好きなんですね。
荒木 はい、楽員仲間とオンラインで遊ぶこともあります。ゲーム中も協力して戦略を立てたり、役割分担をしたりする感覚があって楽しいです。
この間、楽屋で「ゲームに課金するタイプの人の音と、課金しないタイプの人の音があるよね」という話題になりました。
例えば、その仲のいいトランペットのローリーさんは課金するタイプなのですが、彼の音を聴くと「あ、いるな」とわかるほど輝いています。課金と音のイメージがどうつながるのかは不思議ですが、意外と理にかなうところがあると感じています。
ゲームに課金しない場合は時間をかけて目標に到達することになりますが、課金する人は「すぐよい結果を手に入れたい」というタイプかと。ローリーさんもそうで、音楽に関しても「こういう音が欲しい」と思ったらすぐ掴みに行く。その思考が、あの輝きのある音につながっているんじゃないかと感じて、僕も「そういう考え方も大事だな」と思い、見習ってつい最近課金してしまいました(笑)。
——今後の目標はありますか。
荒木 自然と人を惹きつける首席奏者になることです。威圧感ではなく、音楽や人柄で周囲がついてきてくれる存在になりたい。
そしてもうひとつは、リードを百発百中で作れるようになること(笑)。毎回同じ質のリードを作るのは本当に難しいですが、それができるようになればオーボエのこと以外にも目を向けられるようになるのにと思っています。とは言っても、夢物語なのでがんばって作り続けます(笑)。
日時: 2025年 9月20日(土) 14:00 開演
会場: 東京オペラシティコンサートホール
曲目:
ハイドン:交響曲 第83番 ト短調 Hob.I:83
リゲティ:フルート、オーボエと管弦楽のための二重協奏曲 **
リゲティ:歌劇「ル・グラン・マカーブル」より“マカーブルの秘密” *
モーツァルト:交響曲 第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」
日時: 2025年 9月21日(日) 11:00 開演
会場: ミューザ川崎シンフォニーホール
曲目:
リゲティ:フルート、オーボエと管弦楽のための二重協奏曲 **
リゲティ:歌劇「ル・グラン・マカーブル」より“マカーブルの秘密” *
モーツァルト:交響曲 第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」
出演:
指揮:ジョナサン・ノット(東京交響楽団 音楽監督)
フルート:竹山 愛(東京交響楽団 首席フルート奏者)**
オーボエ:荒木良太(東京交響楽団首席オーボエ奏者)**
ソプラノ:森野美咲 *
管弦楽:東京交響楽団
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