——内山さんは趣味が多いそうですね。
内山 古着と料理が好きです。古着は、ヴィオラの多井千洋さんが僕の“師匠”です。多井さんがいつも古着を着ているなと思って、思い切って声をかけたのがきっかけで、今まで知らなかったたくさん知識を教えてもらいました。
——なぜ古着が好きなのですか。
内山 学生時代はまったく勉強してこなかったのですが、今はYouTubeで世界史の解説を見るのが好きで。「この時代がおもしろい」とか「こういう流れがあるからこの作曲家に惹かれる」というように、点よりも流れで物事を見るのが好きだということに気づきました。
古着もそれと同じで、たとえばミリタリーの服には背景に歴史があります。そういう“歴史をまとっている感じ”がたまらなく好きで、自己満足ですが、気持ちが満たされるのです。
——料理についてはいかがですか。
内山 料理のことを調べるのが日常的になっていて、ある日、よく観ているYouTubeのチャンネルで、「タコスの作り方」シリーズが始まったんです。最初は「難しそうだな」と思っていましたが、あるとき「やってみよう」と挑戦してみたら、すごくおいしくできて。
「これは誰かに食べてもらわなきゃ!」と、半ば使命感みたいなものが生まれて、気づいたら人を呼んで振る舞うようになっていました。
人を家に呼ぶことが多くなって、自然とインテリアにも気を配るようになりました。「きれいな部屋だね!」と言われたくて、インテリアショップに行ったらもう止まりません(笑)。
——もともと料理は好きだったのですか。
内山 学生時代に一人暮らしを始めたのがきっかけです。節約のために料理を始めましたが、昔から凝り性なので、気づいたらスパイスからカレーを作ったり、パスタや和食、デザートまで手を広げていて。今でもプリンはよく作ります。簡単ですし、よくメインとセットで出します。頑張るときはケーキも焼いたりします。
——ケーキまで!
内山 最近作ったのはチョコケーキです。タルト生地にチョコケーキを詰めて焼いて、あんずジャムを塗りました。ジャムは市販のものですが、組み合わせにはこだわっています。
——料理をすること自体が、リフレッシュにもなっているのですね。
内山 そう思います。おいしいものを食べる時間が、いちばん好きかもしれません。外食も好きですが、おいしいものを食べると「これ、自分でも作ってみたいな」とすぐ思ってしまいます。食べながら、「何が入っているんだろう」と考えるクセがついてしまいました(笑)。
——みなさんの反応はいかがですか。
内山 みんなおいしいと言ってくれます。ある人に「こんなに料理して、ちゃんと練習しているの?」と驚かれたことがありました(笑)。「料理しながらでも練習できますよ」って言えたのがちょっとうれしかったです。
——最後に、今後の夢や目標があれば教えてください。
内山 オーケストラで演奏していると、毎回新しい発見があって、「まだまだ知らないことがあるな」と感じます。これからもしばらくは、新しいレパートリーを楽しみながら、演奏の幅を広げていけたらと思っています。
オーケストラ以外にも室内楽が好きで、大好きな曲がたくさんあるので、生きているうちにできるだけ多くの作品に挑戦したいですね。
——料理にも、まだまだ目標がありますか。
内山 あります(笑)。最近気になっているのはエスニック系です。日常で食べられる機会も少ないし、自分で作れたらおもしろそうだなと思っていて。新しいメニューができたら、また仲間を呼んでふるまいたいと思っています。
日時: 2025年 9月20日(土) 14:00 開演
会場: 東京オペラシティコンサートホール
曲目:
ハイドン:交響曲 第83番 ト短調 Hob.I:83
リゲティ:フルート、オーボエと管弦楽のための二重協奏曲 **
リゲティ:歌劇「ル・グラン・マカーブル」より“マカーブルの秘密” *
モーツァルト:交響曲 第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」
日時: 2025年 9月21日(日) 11:00 開演
会場: ミューザ川崎シンフォニーホール
曲目:
リゲティ:フルート、オーボエと管弦楽のための二重協奏曲 **
リゲティ:歌劇「ル・グラン・マカーブル」より“マカーブルの秘密” *
モーツァルト:交響曲 第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」
出演:
指揮:ジョナサン・ノット(東京交響楽団 音楽監督)
フルート:竹山 愛(東京交響楽団 首席フルート奏者)**
オーボエ:荒木良太(東京交響楽団首席オーボエ奏者)**
ソプラノ:森野美咲 *
管弦楽:東京交響楽団
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