金川 耳、頭、体がお互いの意思をわかり、協力して行動できたらなんでも弾けます。それは言うは易し、でもまずはそのつながりを感じ取れるところまでテンポを落とすことです。最初はカタツムリより遅いようでもそこで耳、頭、体の繋がりを作ることができれば絶対上達します!
周防 私は新しく超絶技巧作品に取り組むとき、もちろん初めは弾けなくてめげてしまいそうになることがありますが、少しでも早く仕上げて弾けるようになりたい! とか、これが弾けたらかっこいいなとか、ワクワクする気持ちのほうが多いです。また、「この曲がちゃんと弾けたら技術的な曲はなんでも大丈夫になれる」と心に暗示をかけて練習しています。
成田 集中して取り組めば誰もができることですが、超絶技巧とは人々の期待を大きく上回るか裏切るかのどちらかでないといけないので、評価も生ものと思います。できる人がやれば良いことです。
服部 本番のためだけでなく、技術をバージョンアップさせるための筋トレとして練習に組み込むこともあります。その曲に描く、自分が目指すゴールをひとつに絞れたら、そのあとにやることは単純明快で、気が済むまで何千回でも弾くことです。それを、筋肉と神経の疲労をみながら騙し騙し繰り返す。段々と音が磨かれていく過程を味わえると無心になり我を忘れて楽しくなります。