――4月26~27日、元フィギュアスケーターの町田 樹さん、元東京バレエ団プリンシパルの高岸直樹さんと上野さんによる『バレエとフィギュアに捧げる舞踊組曲2』が上演されます。昨年はチケットが即完売というたいへん人気のある作品の再演です。
上野 リハーサルはまだ始まっていないのですが、すでにプランは固まっています。昨年の演目をバージョンアップさせるほか、新作も準備するので、ボリュームのある舞台になると思います。前回とてもハードだったんですけど、最後のコーダも長くするそうなので、どうなるのでしょう……(笑)。
――前回に続き、今回もピアノ曲を使用されるそうですね。
上野 ピアノの音色が持つ世界というのは、ほんとうに静かで、その音に誰もがすっと集中できる感じが独特ですよね。バレエのクラス・レッスンはピアノ伴奏で行なうので、私の中でピアノはバレエの稽古の原点という感じがして、とても身近なもの。今回はその原点をより掘り下げて、みなさまにお見せしたいと思っています。
また、東京文化会館の小ホールは音響がよく、空間が小さめなので音がよく響き渡り、ピアノ曲にぴったりな場所なので、観に来てくださった方々には、ピアノの美しい世界に浸っていただきたいですね。
――最後になりますが、上野さんにとって『ボレロ』とは?
上野 今の私にとって、『ボレロ』はライフワークであり、人生そのもの。何度も何度も踊らせていただいていますし、ほんとうに大好きな作品です。
“リズム”のダンサー、制作にかかわるスタッフ、そしてお客さま……ほかのどの作品よりも会場がひとつになれると感じる、あの特異な空気感は『ボレロ』でしか味わえません。
次に踊れる日が来ることを今からとても楽しみにしていますし、ぜひ機会があれば一度観にいらしていただけたら嬉しいです。