図3 ダニエル・バレンボイムが語った「意思によるクレッシェンド」

とはいえ、技術的なことにばかり思考を向けていると、だんだんとフレージングの本来あるべき姿から離れ、人工的で不自然な方向に進んでしまいがちです。声楽や弦楽器を常に聴き(その過程で室内楽や歌曲伴奏は素晴らしい学びになります)、正常な感覚を保つことがなによりも大切かもしれません。

この原稿を書いているうちにワルシャワでは雲が晴れてきました! ヨーロッパの美しい夏が待ち遠しいところです。

ショパン音楽大学の校舎
牛田智大
牛田智大

2018年第10回浜松国際ピアノコンクールにて第2位、併せてワルシャワ市長賞、聴衆賞を受賞。2019年第29回出光音楽賞受賞。1999年福島県いわき市生まれ。6歳まで...