1824年9月4日に生まれたブルックナーも、生誕200周年となる。ウィーン・フィルは、3月16、17、19、22日に楽友協会大ホール、20日にコンツェルトハウス、23日にはリンツのブルックナーハウス大ホールで、彼の「交響曲第7番」を披露(ズービン・メータ指揮)。
リンツ・ブルックナー管弦楽団はブルックナーハウス大ホールにて、3月7日に「交響曲第5番」(マレク・ヤノフスキ指揮)、4月25日に「交響曲第6番」、5月29日に「交響曲第3番」(マルクス・ポシュナー指揮)を演奏する。ブルックナーの交響曲全曲をオリジナルサウンドで聴ける、同ホールでの初の試み「Originalklangzyklus」にも注目(9月10日~10月10日)。
「ブルックナーは難しい」と思っていらっしゃる方! コメディ・TVシリーズ『Mr. ビーン』のテーマ曲がブルックナー《ロークス・イステ》に着想を得たとご存じだろうか?
ブルックナー《ロークス・イステ》
この愛らしい作品は、リンツの新大聖堂内ヴォティーフ礼拝堂の落成記念に作曲された。ブルックナーが長年オルガニストを務めたリンツ旧大聖堂は、そこから徒歩数分の距離にある。
時期が合えば、リンツ近郊アンスフェルデンにある生家「アントン・ブルックナー博物館」(5月4日~10月27日の月曜と金曜以外に開館)や、オルガンの下にブルックナーが眠るサンクト・フローリアン修道院に足をのばそう。同修道院は5月1日~10月26日の火曜と土曜以外の14時半から、「ブルックナーオルガン」によるコンサートも開催している。
■ブルックナーハウス Brucknerhaus
住所:Untere Donaulände 7, 4010 Linz
■リンツ旧大聖堂Alter Dom / Ignatiuskirche
■アントン・ブルックナー博物館 Anton-Bruckner-Museum Ansfelden
住所:Augustinerstrasse3, 4052 Ansfelden
■サンクト・フローリアン修道院Augustiner Chorherrenstift St. Florian
ウィーン8区のピアリステン教会は、ブルックナーの隠れた名所。大きなミサの時以外、内部は鉄柵越しにしか見られないが、彼が作曲科の試験を受けたオルガンがある。試験官の一人だったヨハン・ヘルベックが述べた名言「彼が私たちを試験するべきだった」は、体面を気にせず率直そのもの、いかにもオーストリアの音楽家らしい。
ブルックナーが宮廷オルガニストとして活躍した場、ウィーン王宮礼拝堂では、9月半ば~6月末の日曜9時15分から、その伝統のミサに参加できる。ブルックナーの指導を受けたウィーン少年合唱団や、ウィーン・フィルのメンバーたちの演奏で、1月21日と2月11日にはブルックナー「ミサ曲第1番」を聴けるチャンスも。