2022年ロン=ティボー国際コンクール優勝者の亀井聖矢(かめい・まさや)は、現在はドイツのカールスルーエ音楽大学に在籍。圧倒的なヴィルトゥオジティと豊かな音量、そして躍動感あふれる演奏が魅力。早い時期からショパンコンクールへの出場に意欲を燃やし、ショパンの作品に深く取り組んでいる。
ショパン国際ピリオド楽器コンクールの本選にも出場した経験を持つ東海林茉奈(しょうじ・まな)は、東京藝大時代からショパンを研究し、前回は予備予選に参加。現在、ポーランドのビドゴシュチ音楽院で学んでいる。
ドイツ生まれの中川優芽花(なかがわ・ゆめか)は、藤田真央も優勝したことのあるクララ・ハスキル国際コンクールで2021年に優勝。日本のホールでも彼女の演奏を聴くことができる機会が増えているので、ぜひチェックしたい。
フランス在住の重森光太郎(しげもり・こうたろう)は、前回のショパンコンクールの翌年、ロン=ティボー国際コンクールで第4位を受賞。そして、この5月からのヴァン・クライバーン国際コンクールにも出場することが決まった。重みのある質感の音、スケールの大きな演奏が持ち味である。奇を衒わない端正で正統的な表現で、奥行きの深い響きや弱音の美しさにも魅力がある。
フンメル国際とトビリシ国際の両ピアノコンクールで第2位を受賞した尼子裕貴(あまこ・ゆうき)は、桐朋学園大学大学院をへて、ザルツブルク・モーツァルテウムで学んでいる。
山縣美季(やまがた・みき)は、日本音楽コンクール優勝など、国内外のコンクールで優勝・入賞を重ね、現在はパリ国立高等音楽院第二課程に在籍。1月のショパン国際ピアノコンクールin Asiaでの演奏は、作品の造形力に秀で、その深いリリシズムには説得力があった。
尾城杏奈(おじろ・あんな)は、ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリやパリ国際ピアノコンクールなどで優勝を重ね、現在パリのエコール・ノルマルで研さんを積む。同じくピティナ特級に15歳で優勝し、2023年にブゾーニ国際ピアノコンクールで第3位を受賞した山﨑亮汰(やまざき・りょうた)。高校2年時に日本音楽コンクールで優勝し、現在ニューイングランド音楽院の修士課程に在籍する吉見友貴(よしみ・ゆうき)、そして第5回日本ショパンピアノコンクール優勝者の稲積陽菜(いなずみ・ひな)もいる。
それから、名古屋市出身で、現在ウィーン国立音楽大学で学ぶ北桜子(きた・さくらこ)、東京藝大を卒業後イタリアを経て現在ケルン音楽舞踊大学で学ぶ辻本莉果子(つじもと・りかこ)、前回の予備予選に出場した石田成香(いしだ・せいか)も、どんなショパンを聴かせてくれるのか注目したい。