反田恭平はチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」で異世界へ誘う

2日目のプログラムは、芥川也寸志「弦楽のためのトリプティーク」で、20世紀の日本人作曲家が生んだ音楽とともに幕開け。続くチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」では、反田さんによる聴き手の感情を昂ぶらせる見事な音楽づくりに、聴衆が釘付けになっていました。

後半のチャイコフスキー「交響曲第5番」では、その生き生きとした演奏から、アブダビの聴衆にこの音楽の魅力を届けたい!という気迫がビンビン伝わってきます。それをしっかり受け取った客席の興奮が合わさって、会場は特別な熱気に包まれました。

日本のオーケストラの演奏するチャイコフスキーが、文化の異なるUAEの聴衆の心を大きく動かす様を目の当たりにして、にわかに感動を覚える一夜となりました。

「反田くんとは何度も共演してきていますが、ごく稀に異様な世界に行くような特別な感覚が訪れるときがあって、今回もそれが起きていました。

フェスティバルの主催者のみなさんがオーケストラを大事に扱ってくださり、またお客様からも盛大な拍手をいただいて、その“気”がまわってくることで、とてもいい演奏になったと思います。新日本フィルの歴史に残るツアーだったといえるでしょう」と、佐渡さんも嬉しそう。

この異文化の土地における経験と手応えを胸に、佐渡裕さん&新日本フィルというコンビの関係性もよりいっそう深まったはず。2025/2026シーズンにも、大いに期待できそうです!

公演情報
新日本フィルハーモニー交響楽団 第662回定期演奏会

日時・会場

2025年4月19日(土)14時・すみだトリフォニーホール
4月20日(日)14時・サントリーホール

 

曲目

ベートーヴェン:《レオノーレ》序曲第3番 ハ長調 Op.72b
バーンスタイン:「ミサ」から3つのメディテーション
バーンスタイン:交響曲第3番《カディッシュ》

 

出演

指揮:佐渡 裕

朗読:大竹 しのぶ
チェロ:櫃本瑠音
ソプラノ:高野百合絵

 

問合せ:新日本フィルチケットボックス
03-5610-3815
(平日:10〜18時/土:10〜15時/日祝:休)

 

詳細はこちら

 

※この公演を含む、新日本フィルハーモニー交響楽団2025/2026シーズン定期演奏会(全7回)の連続券も発売中(1回券×7より30%OFF)

高坂はる香
高坂はる香 音楽ライター

大学院でインドのスラムの自立支援プロジェクトを研究。その後、2005年からピアノ専門誌の編集者として国内外でピアニストの取材を行なう。2011年よりフリーランスで活動...