パリの経済協力開発機構(OECD)に政策アナリストとして勤務するアマチュア・ピアニストの山﨑翔さんも、ケリジットさん企画のコンサートシリーズに定期的に出演している。
「2022年に赴任したパリで、職場以外でも人の輪を広げつつ、演奏の機会をいただけたらという思いで、コンクールに参加しました」
山﨑さんは、今年4月に「パリ国際アマチュアピアノコンクール」で第3位に入賞したのを皮切りに、「イル・ド・フランス国際ピアノコンクール」「ラ・ノート・セレスト国際ピアノコンクール」(両アマチュア部門)、「ディナール国際アマチュアピアノコンクール」に次々と優勝。数か月のうちに多くのコンクールで快挙を成し遂げた。
その山﨑さんに、フランスのアマチュア・コンクールの印象を伺った。「日本のアマチュアのほうが、基礎的な技術レベルは高いと思います。一方で、フランスのコンクールで出会った方々は、作品に対する視点や演奏へ託すメッセージ、また選曲の理由などに信念が溢れており、それがフレージングや歌い方に明確につながっていることに感銘を受けました」