バッハ音楽祭2024でバッハの「コラール・カンタータ」を全曲演奏

この6月、ライプツィヒのバッハ音楽祭を訪れた。バッハが人生後半を過ごしたライプツィヒで毎年6月に開催される、世界最大のバッハ音楽祭だ。

今年のテーマは「CHORal total」。「Choral」は「コラール=讃美歌」だが、英語の「Chor=合唱」と掛け合わせ、両方の意味を含めたのがミソだ(たまたま同じスペル!)。「total」には、「みんなの」という意味合いもある。というのも今回のバッハ音楽祭には、世界中からアマチュア合唱団が集まったからだ。

「7大陸」(主催者発表)から集まった合唱団の役割は、なんだったのか? その鍵は、まさに「コラール」にあった。

大学教会で行なわれたコラール・カンタータの演奏会には、日本の「東日本カンタータフェライン」が参加した

今回のバッハ音楽祭のメイン・イベントは、「コラール・カンタータ」の全曲演奏会だった。「コラール・カンタータ」とは、1曲のコラールに基づいて作曲されたカンタータ*のことで、バッハは合計66曲の「コラール・カンタータ」を書いている。

*カンタータ:17-18世紀前半において、オペラとならびもっとも重要な声楽ジャンルのひとつ。器楽伴奏を伴い、ソロや合唱によって歌われる

最初のコラール・カンタータが作曲されたのが1724年6月なので、今年は「コラール・カンタータ300周年」。それにちなんで、コラール・カンタータ全曲を、16回のコンサートで一気に上演するシリーズだ。世界中から集まった合唱団の多くが、この「コラール・カンタータ」のシリーズに参加し、コラールを含む合唱パートを歌ったのだった。