——室内楽からは、ステージプラスで配信があります。

10年前からコンクールを配信してきましたが、今回はステージプラスをパートナーに、全世界に若者の音楽を届けることに力を入れます。なかでも日本の音楽ファンは重要なので、中継前に日本語による司会を設けるなど、みなさんがアクセスしやすい環境をご用意します。中継はもちろん無料です。

——ピアノ五重奏による室内楽で、ピアニストのどんなことがわかるのでしょう?

室内楽はピアニストにとって重要なジャンルです。演奏家にとって“聴く能力”は大切ですが、ソロやコンチェルトにおける“聴く能力”は、閉じた次元に限られます。

完成された演奏家は、聴いて共演者から情報を集め、返す能力を持っているものです。室内楽で他の奏者と交流すると音楽的視野の広さが表れるので、ソロと印象が大きく変わることもあります

共演はイジドール弦楽四重奏団で、入賞の副賞には、彼らとのツアーも予定されています。

国際舞台ですぐ活躍でき、かつ自分を表現できるレパートリーの重要性

——ファイナルでは、選択した2曲の協奏曲から審査員が直前に選んだ方を演奏するルールです。

国際舞台ですぐ活躍するには、協奏曲のレパートリーを2つは持っていてほしいということが理由ですが、実は毎回応募者が増えるので課題を難しくしたところもあります。ただ実際、応募者はより増えてしまいました(笑)。

 

前回の優勝者、パク・ジェホンJae Hong Parkのファイナルにおける、ハイドン・オーケストラとの共演の様子。ブゾーニ・コンクールの優勝者には多くの演奏の機会が与えられ、パク・ジェホンは主にヨーロッパとアジアで2年間に80回以上のコンサートに出演した

——ブゾーニ・コンクールが求めているのはどんなピアニストでしょうか。

ブゾーニ自身がオープンマインドで、繊細かつ実験的な芸術家だったことから、個々が自分を表現できるプログラムを選べるよう課題を自由に設定しています。今回は、オノ・ヨーコの楽曲を選んでいる方がいるくらいです! 

いわゆるホロヴィッツタイプからクララ・ハスキルタイプまで、幅広い演奏家に入賞のチャンスがあります

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配信スケジュール

ブゾーニ国際ピアノコンクール2023:室内楽ファイナル I
イジドール弦楽四重奏団
ライブ配信 – 2023年8月30日 3:00
1. 再配信 – 2023年8月30日 9:00
2. 再配信 – 2023年8月30日 20:00

ブゾーニ国際ピアノコンクール2023:室内楽ファイナル II
イジドール弦楽四重奏団
ライブ配信 – 2023年8月31日 3:00
1. 再配信 – 2023年8月31日 9:00
2. 再配信 – 2023年8月31日 20:00

ブゾーニ国際ピアノコンクール2023:室内楽ファイナル III
イジドール弦楽四重奏団
ライブ配信 – 2023年9月1日 3:00
1. 再配信 – 2023年9月1日 9:00
2. 再配信 – 2023年9月1日 20:00

ブゾーニ国際ピアノコンクール2023:グランド・フィナーレ
ボルツァーノ・コムナーレ劇場
ライブ配信 – 2023年9月3日 17:30
1. 再配信 – 2023年9月4日 3:00
2. 再配信 – 2023年9月4日 9:00

高坂はる香
高坂はる香 音楽ライター

大学院でインドのスラムの自立支援プロジェクトを研究。その後、2005年からピアノ専門誌の編集者として国内外でピアニストの取材を行なう。2011年よりフリーランスで活動...