パルマ市内から遠距離バスでヴァルデモッサへ

2日目は、いよいよヴァルデモッサへ。

マヨルカ島には、ショパンが長く滞在していた場所が2か所あります。パルマ市内から少し離れた場所にあるエスタブリメンツは、彼がヴァルデモッサへ移り住む前まで住んでいた村で、彼が借りていた別荘は「風の家」と呼ばれていました。

やがて、家主はショパンの病状を憂い、別荘から出ていくように彼らに要求します。この別荘は現在もありますが、ネットで検索したところ、海外の方が所有しているようです。

「風の家」を追い出されるように去った後、ショパンは、ヴァルデモッサにあるカルトゥハ修道院に移り住みます。パルマ中心部から遠距離バスで40分。市街地を抜けると、急峻な岩山が目に飛び込んできます。険しい山道をバスで登っていくと、建物が見えてきました。ショパンは馬車でその地まで移動したと伝えられていますが、体調の悪い彼にとって、かなりの過酷な旅であったことは想像に難くありません。

パルマ駅地下のバスターミナルから、遠距離バスでヴァルデモッサへ向かいます(上)

市街地を抜けると、急峻な岩山が眼前に。ショパンの時代には、パルマから島の北側にある修道院まで馬車で移動していました(右)
ヴァルデモッサにあるカルトゥハ修道院。1か月ほど過ごした「風の家」を追われ、ショパンはここへ移り住みました

村の中心部には、石畳の通りを挟んでカフェやパン屋、土産物の店などが軒を連ね、やや観光地化された感もあります。多くの店は石造りで、かなり古い時代の趣をとどめています。地形的にアップダウンが激しく、ほとんどの人はスニーカーを履いて歩いていました。

ヴァルデモッサの村の中心部。石畳の道はアップダウンが激しく、スニーカーが必須