ショパン愛用のピアノが残るカルトゥハ修道院

ショパンが2か月ほど過ごしたカルトゥハ修道院は、メインストリートからほんの少し外れた場所にあります。もともとサンチョ王の宮殿でしたが、1399年から修道院として使われるようになりました。その建物は、ショパンが滞在する前に民営化されたようです。

修道院は、私が思っていたよりも大きく、奥行きもありました。礼拝堂や小部屋のほかに、宮殿も残されています。現在、ピアノなどのコンサートができるスペースもあります。音楽祭も開催されているようで、多くの著名なアーティストもそこを訪れて演奏しています。

ショパンが住んでいた部屋には、彼が使っていたプレイエルのピアノなども置かれています。このピアノは、ショパンがプレイエルに依頼していたものです。

それから、部屋には暖を取るための道具もいくつか見られます。ショパンのデスマスクや自筆譜、手紙などが展示されていました。

カルトゥハ修道院でショパンが住んでいた部屋に置かれたプレイエル・ピアノ。当初の予定よりもかなり遅れてマヨルカに届いたといわれています
ショパンがマヨルカ島に滞在したのは冬。このような道具で薪を焚いて暖をとっていたのでしょうか
ショパンが住んでいた部屋には、デスマスクも展示されていました

庭にはオレンジの木がありました。その庭からは、遠くにパルマ市街や海を望むことができます。

彼の部屋から回廊へ出ると、石造り独特の冷たい空気に包まれます。回廊にはガラスや扉のない窓が並んでいました。

修道院の庭にはオレンジの木があり、実をつけていました。地中海らしい風景(上)

ショパンが住んでいた部屋から回廊に出ると、石造りの建物特有の冷たい空気に包まれます。窓にはガラスがなく、当時は寒い風が吹き込んだことでしょう(左)