予備予選免除枠の変更や審査員について

——今回、予備予選の免除枠に変更がありましたが、どのような影響がありましたか?

ラスコフスキ 免除枠の変更によって、予備予選を経ずに本大会に参加できるピアニストの数は増えました。その結果、すでにほかの重要なコンクールで優勝経験のあるような実力者が、ショパンコンクールに挑戦するケースも増えています。

もっとも、それはそれぞれのピアニストの個人的な判断です。すでに優勝経験を持つ人が、あえてショパンコンクールに挑戦するのは、このコンクールが「コンクールの中のコンクール」として位置づけられている証でしょう。

多くのピアニストにとってショパンコンクールは、より大きなチャンスであり「究極のコンクール」と考えられています。だからこそ、すでに「優勝者」という称号を持っている人であっても、「ショパンコンクール優勝者」というタイトルを手に入れたいのです。しばしば「ショパンコンクールはピアノのオリンピックだ」と言われますが、それは誰もがオリンピックで金メダルを取りたいと思うのと同じ気持ちなのです。

——結果的に予備予選の通過者の人数が減ってしまうことになりましたが、それについてはいかがでしょうか。

ラスコフスキ このようなルールになった以上は、仕方ないと言わざるを得ないですね。もっとも優れた出場者たちが予備予選を通過したことに変わりありません。私たちは彼らの演奏を本当に楽しみにしています。

私自身、実際に演奏を聴いたり、批評家や審査員の話を聞いたりしても、今回の予備予選の水準は並外れて高く、素晴らしいピアニストたちの多くが本選に進めなかったことを知っています。それは本当に残念で、結果を読んだときには心が痛みました。でも、いつだって結果を読むときは心が痛むのです。セカンドステージに進む40人でも、サードステージに進む20人でも、ファイナルに残る10人でも。