山縣美季「さまざまな感情をもつこのポロネーズに、恋に落ちた」 

演奏曲:「ポロネーズ」作品53(《英雄ポロネーズ》)

まず、「24の前奏曲」を全曲とり上げる場合、ほかのポロネーズを選曲すると時間的に厳しいかなという、現実的な問題もありました。

最初、この作品には力強いイメージをもっていました。でも、作品を読み込み、紐解いていくうちに、苦しい叫びや嘆きなどさまざまな感情をもつこのポロネーズに、激しく恋に落ちてしまいました。ポロネーズにはポーランドの誇りなども感じられます。その曲をショパン・コンクールの舞台で弾くことができたら、どんなに幸せだろうとも考えました。

プログラムを《英雄ポロネーズ》から始めるのを、少し前までは怖いと思っていました。でも、いざ弾いてみると、作品のもつさまざまなキャラクターがどんどん広がっていく感じも楽しめましたし、ワルシャワのショパン・コンクールの会場で弾いていることを素直に楽しめました。

10月12日、第2ステージにおける山縣美季©Krzysztof Szlezak

Hao Rao「ショパンの若いエネルギーを感じながら演奏した」   

演奏曲:《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ》作品22

ショパンの若い時の代表的な作品ですが、彼がこのポロネーズを作曲した年齢よりも、いまの私は少し上です。この作品には、彼の若いエネルギーがみなぎり、そのようなパワーを感じながら演奏しました。この素晴らしい舞台で、ショパンのもっとも有名な創作のひとつを演奏できたことを、とても嬉しく思っています。

今回の舞台について、自分の演奏には満足しています。自分の良い音楽を、みなさまに伝えられることを幸せに感じています。

10月12日、第2ステージにおけるHao Rao ©Krzysztof Szlezak f