小林愛実さんがインタビューでショパンコンクールの思い出を語る

会見の最後には、第18回ショパン国際ピアノコンクールで第4位に入賞した小林愛実が登場。インタビューではショパンコンクールでの思い出や、これから挑戦するコンテスタントへのアドバイスについて語った。

——コンクールでは緊張しましたか?

小林 多分みんな緊張したと思うんですけど、本番だけではなく、多分数か月前から緊張していました。朝ごはんもみんな同じところで食べるけど、弾く日はもうみんな食べられなくて(笑)。

——緊張を乗り越えるために何をしましたか?

小林 練習ですかね。あとはもう自分に私は弾けると言い聞かせました。

やっぱりショパンコンクールというのは、ピアニストにとっては憧れの舞台ですし、その舞台でショパンの作品を弾けるという喜びを楽しもうと思うことで、気持ちを落ち着かせました。

ショパン研究所のラスコフスキさんから質問を受ける小林愛実さん

——現在コンクールに向かって準備中のピアニストにアドバイスをお願いします。

小林 来年ですよね。まだ準備を始めていない方もいらっしゃるかもしれませんが、これからショパンばっかり弾く時間が待っていると思うので、すごく頭がおかしくなってくると思うんですけど(笑)、でもショパンだけではなくて、気分転換に違う作曲家を弾いてみるのもいいと思います。

あとは、自分なりにショパンの音楽を理解して、自分が思うショパンをコンクールまでに見つけることが大事だと思います

——小林さんにとってショパンの音楽のどのようなところが特別ですか?

小林 ショパンの作品は美しいし、力強いし、その作品自体が好きっていうこともあるんですけど、自分のターニングポイントというか、大事なところで、いつも彼の作品によって、自分の人生が大きく変わってきたので、そういう意味でショパンは私にとってすごく大切な作曲家ですし、これからもずっとそうです。

——ワルシャワでの最高の思い出はなんですか。

小林 コンクール期間、1か月以上ワルシャワで生活して、参加者の方たちともすごく濃い時間を過ごしたので、やっぱりそれは自分の人生にとって忘れることのできない時間だし、それがワルシャワだったというのは最高のことだと思います。

演奏後、シュクレネル所長からショパンのお人形や絵本が贈呈された

これから応募が始まる第19回ショパン国際ピアノコンクール、それを皮切りに始まる5年にわたる100周年記念事業、そして大阪万博。ショパンを存分に楽しめる特別な時間が始まろうとしている。

取材・文
ONTOMO編集部
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ONTOMO編集部

東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...