フレドリクセンの活動、手掛ける作品は実に幅広い。ニューヨーク・フィルのメンバーやメトロポリタン歌劇場、ジュリアード音楽院のメンバー、ニュー・ヘレニック弦楽四重奏団、アメリカ弦楽四重奏団、ハリントン弦楽四重奏団等々、数多くの共演を重ねており、豊かな室内楽の世界を紡いでいる国際的な室内楽巧者である。それだけでなく、シルバー・ベイ夏期音楽祭の創始者でもあり、同音楽祭は創設地のニューヨークからドイツ、イタリア、ギリシャ、ノルウェーへと規模を拡げている。

レパートリーも、ドイツ語のナレーションを伴うR.シュトラウス《エノック・アーデン》や『That’s Not Tango: Astor Piazzolla-a Life in Music』の音楽監督を手掛けるなど、幅広い。
夜公演では今回、シルバーガーのためにウィリアム・ワイゲルが書き下ろした新作《ヴァイオリンとピアノのための3つの対話》が世界初演される。ニューヨークを拠点に、弁護士としても活躍する(!)ワイゲルの作品の多くは、12音技法を基盤とし、師の系譜を辿ればシェーンベルクに連なる。ワイゲルについてフレドリクセンはこう語る「書法は高度で独創的ですが、聴く人の心に素直な感動を生む作曲家です。動機の明快な展開や構造感が、豊かな色彩感と質感を引き立て、革新性と表現とが絶妙な均衡をとるワイゲル作品の演奏は、とても魅力的です」。
