宗次徳二様からご貸与いただき、5年目になります。当初から音色は柔らかくて温かみがありましたが、使い始めて2年を過ぎた頃から音量が豊かになり、さらに音の深みも増してきたことで、私自身が思い描く音楽が自然と音に繋がるようになってきたように思います。
お酒に例えるならば、とても温かみがあり豊かな音の深みと艶を感じる楽器です。楽器にとくに名前は付けていませんが、自分の子どものようにたくさんの愛情と感謝を抱き、楽器に話しかけながら毎日を過ごしています。
内外有数のコンクールで入賞して以来、ソロ、室内楽、コンチェルトと活躍の領域を広げつつある近年もっとも注目度の高い若手ヴァイオリニスト。人気急上昇中ですが、たしかにこのニコロ・アマティを使い始めてから彼の活躍ぶりが高まっています。
17、8年前にヨーロッパの友人から情報を得て入手。なんと申しましょうか。音楽観、音色感、世界観すべてが変わったと思います。年代もののブランデーでしょうか。旨味、コク、まろやかな深み、力強さ、すべてがバランスよく整っています。(名前は付けず)そのままアマティと呼んでいます(amatiという響きが好きなので)。
モスクワ音楽院で学び、帰国後は新日本フィルのコンサートマスターに就任、さらに2000年からはソロ・コンサートマスターとしておなじみの崔 文洙さんですが、現在は大阪フィルのソロ・コンサートマスターも兼任するなど、その活動は幅広いものがあります。
“グランド・アマティ”は、アマティの工房で比較的初期に製作されたモデルとされ、そのボディが356ミリゆえに“グランド・アマティ”と呼ばれています。それまでは350ミリを基準とするボディの楽器を主につくっていたようです。