5. 笹沼 樹 

(東京交響楽団チェロ客演首席奏者)

ソロ、アンサンブルと多忙を極める凄腕

笹沼 樹 Tatsuki Sasanuma
日本音楽コンクール、東京音楽コンクール、全日本学生音楽コンクールほか、国内外のコンクールで優勝、入賞後、ミュンヘン国際音楽コンクール弦楽四重奏部門第3位入賞及び特別賞を受賞。ニューヨークヤングコンサートアーティストオーディションでは日本の弦楽四重奏団として東京クァルテット以来50年ぶりの第1位を受賞した。新日本フィル、プラハ国民劇場オーケストラ、東響、都響をはじめとするオーケストラとソリストとして共演。室内楽奏者としてはアルゲリッチ、上田晴子、ダン・タイ・ソン、ヴェンゲーロフ、ギトリス、マイスキー、メイエ、ヴィトマン、エルサレム弦楽四重奏団をはじめとしたアーティストと国内外で共演を重ねるほか、ラ・ルーチェ弦楽八重奏団、カルテット・アマービレ、Trio Rizzleのメンバーでもある。NHK交響楽団アカデミー修了。学習院文化活動賞を受賞し、同校でのリサイタルは天覧公演となった。霧島国際音楽祭賞並びに音楽監督賞、第22回ホテルオークラ音楽賞、第20回齋藤秀雄メモリアル基金賞など受賞多数。桐朋女子高等学校音楽科を首席卒業。桐朋学園ソリスト・ディプロマ・コース修了、並びに学習院大学文学部ドイツ語圏文化学科卒業。桐朋学園大学音楽学部大学院修了。現在パリエコールノルマル音楽院第3過程に特待生として在籍中。ヴァーツラフ・アダミーラ、古川展生、堤剛、アンリ・ドゥマルケット各氏に師事。室内楽を磯村和英、大山平一郎、山崎伸子、エルサレム弦楽四重奏団らに師事。2019年にデビューアルバム『親愛の言葉』をリリース、『レコード芸術』特選盤に選出される ©T.Tairadate

高身長ゆえオーケストラの中でひときわ目立つ笹沼樹。今年の4月に東京交響楽団の客演首席というポストに就いたばかりのこれまた凄腕俊英プレイヤーです。桐朋学園大学と、学習院大学でドイツ語圏文化を学んだ努力家で、在学中から多くの音楽祭などに出演し、マルタ・アルゲリッチやミッシャ・マイスキー、そして2CELLOSとも共演するなど華々しい成果をあげています。

東京交響楽団での活動のほか、今年は多方面で大活躍の年となっており、スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団全国ツアーのソリスト、「カルテット・アマービレ」としてのコンサート、「第44回霧島国際音楽祭」へ参加するなど多忙を極めます。ちなみに前述「石田組」のメンバーとして9月にステージに立つというのですから、これは目が離せません。

6. アレッサンドロ・ベヴェラリ

(東京フィルハーモニー交響楽団クラリネット首席奏者)

オペラで際立つ音楽性。ソロ活動にも積極的

アレッサンドロ・ベヴェラリ Alessandro Beverari
9歳よりクラリネットを始める。2009年ヴェローナE.F.ダル・アバコ音楽院を最高得点で卒業。2008年にヴェローナを代表するオーケストラ、アレーナ・ディ・ヴェローナとモーツァルトのクラリネット協奏曲でデビュー。パオロ・ベルトラミニ、ロマン・ギュイオ、アレッサンドロ・カルボナーレに師事。パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌にも参加し、指揮者ゲルギエフ、準・メルクル、アンドリス・ポーガらと共演。第16回チャイコフスキー国際コンクール管楽器/木管楽器部門第3位入賞。この他、数多くの国際コンクールで優勝。室内楽にも力を入れ、日本とヨーロッパにおいて多くのアーティストと共演

ここで、海外から入団したアーティストもご紹介しましょう。

1988年イタリア・ヴェローナ出身。イタリアやスイスで修業を積み、数々のコンクールで高い成績を収めてきたベヴェラリは、2017年の東京音楽コンクールの木管部門で優勝してから、翌年2月に東京フィルの首席として活動を開始。とても気さくなキャラクターでいまやすっかりオケに溶け込み、同オケに欠かせない存在となりました。東京フィルは新国立劇場でオペラを演奏する機会が多いのですが、そんなときにベヴェラリの音楽性が際立ちます。

ソロ活動にも積極的で、この9月にはイシュトヴァーン・コハーンとのクラリネットの競演、12月には仲道郁代を囲んでのベートーヴェンの室内楽に参加し、持前の甘い音色を届けます。