さて、このメタバースを“オペラ”で活用する試みがこの12月からスタートし、早くも来年には実現するという。これは画期的で、様々な方面から注目を浴びそうだ。プロデュースするのは、一般社団法人「奏楽会」の事務局長であり、オペラ歌手として舞台に立ち、外資系企業などでの長年のマーケティング経験を生かしてグロービス経営大学院で教授としても活躍する、武井涼子。
まずリアルのオペラ自体についてここで紹介すると、上演されるのは、『ゴッドファーザー』(今年が公開50周年)、『ロミオとジュリエット』、『アマルコルド』、『太陽がいっぱい』など往年の名画の映画音楽を手がけたことで知られるニーノ・ロータ(1911~1979)の、知られざる傑作喜劇オペラ3編。
彼はオペラをいくつも書いているが、今回上演される《内気な二人》《自動車運転教習所》《神経症患者の夜》は、いずれもモダンでイタリアならではのケレン味のない、あか抜けた大人向けのラブストーリーだ(タイトルから想像できますよね)。プーランクとロッシーニとメノッティの面白みを備えた作風の、軽妙かつモダンな音楽に乗って、様々な愛の世界が繰り広げられる。アリアやアンサンブルもある。