「愛のテーマ」を生んだニーノ・ロータはクラシックの作曲家

そして、観た人々に深い印象を与えているのが、ニーノ・ロータの音楽。その哀愁にあふれたテーマ音楽は、この映画シリーズの代名詞になっている。

ニーノ・ロータは知る人ぞ知るクラシック音楽の作曲家で、ミラノ音楽院、カーティス音楽院などで学んだ。交響曲、協奏曲から室内楽、オペラまであらゆるジャンルの作品を手掛けたイタリアの俊英だ。

もっとも、世界的には『道』、『甘い生活』などのフェデリコ・フェリーニ作品や、アラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』、ルキノ・ヴィスコンティ監督『山猫』、オリヴィア・ハッセー主演の『ロミオとジュリエット』の印象的な旋律で知られている。

脚本家、俳優と同様、音楽でもイタリア文化を知る人ということで、起用されたロータだったが、制作時にはマフィア映画にクラシック音楽調では格調が高すぎるとの批判もあったらしい。しかし、すぐに人々に受け入れられ、『ゴッドファーザー』の「愛のテーマ」は、ロータ最大のヒットになった。

『ゴッドファーザー』より「愛のテーマ」