シリーズ第5作『ローグ・ネイション』はクラシック音楽そのものが主要舞台

「ミッション:インポッシブル」シリーズでは、ほとんどの作品でヨーロッパが主要舞台となるためか、クラシック音楽がどこかで使われることが多く、新作『デッドレコニング PART ONE』でもPeter Ledaineのオルガン曲が使用されています。

しかし、今回はクラシック音楽そのものが映画の主要舞台となったシリーズ第5作『ローグ・ネイション』について詳しく紹介します。

 『ミッション:インポッシブル』シリーズでは、トム扮するIMFエージェントのイーサン・ハントが兵器などの“ブツ”を追いかけることが多いのですが、『ローグ・ネイション』ではスパイとしての原点に戻り、機密資料を盗み出す物語になっています。

その資料に絡む敵組織「シンジケート」の手がかりを掴むためにイーサンはウィーンへ行きますが、相棒のベンジー・ダンは大のクラシック好き、という設定。彼はクラシックを聴きながら仕事をしています。

イーサン・ハント(トム・クルーズ)の相棒を務めるベンジー・ダン(サイモン・ペッグ、写真)は大のクラシック好きという設定。クラシックを聴きながら仕事をしている(写真は『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』より)©2023 PARAMOUNT PICTURES.

その時に聴いているのが、《フィガロの結婚》序曲、そして、ベンジーがウィーンの地下鉄駅に降り立つ時のBGMが何と、ベートーヴェンの交響曲第3番《英雄》となっています。最近の映画では珍しいぐらいクラシック曲が大音響で続くシーンですが、2曲ともアップテンポのオーケストラ曲で、シフリンの音楽との違和感もなく見ていられます。 

モーツァルト:《フィガロの結婚》序曲

ベートーヴェン:交響曲第3番《英雄》第1楽章