世界に名だたるウィーン国立歌劇場で繰り広げられるサスペンス

劇中にオペラ舞台そのものを挿入する映画は、『ゴッドファーザーPARTⅢ』(1990)、『ハンニバル』(2001)など前例は少なくありませんが、オペラ舞台、ピット、舞台裏、客席、舞台装置、ロビー、屋上と、オペラハウスのあらゆる場所を組み合わせて撮ったサスペンスとしては、『ローグ・ネイション』はひじょうに凝った作りとなっています。それが、あの世界に名だたるウィーン国立歌劇場なのですから、クラシック音楽ファンならずとも興味を持つことでしょう。

しかも、映画のために、ウィーン国立歌劇場、ウィーン・フィルのメンバーによって映画用にカットした演奏を収録するという徹底ぶりで、音質も秀逸です。もしサラウンドの環境があれば、名演奏を存分に味わいながら映画を楽しめます。

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』大ヒット上映中
公開情報
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』大ヒット上映中

監督・脚本:クリストファー・マッカリー(『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』)

出演:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴァネッサ・カービー、イーサイ・モラレス、ポム・クレメンティエフ、ヘンリー・ツェニー

配給:東和ピクチャーズ

©2023 PARAMOUNT PICTURES.

山田真一
山田真一 (芸術文化研究者、音楽評論家)

シカゴ大学大学院博士課程修了。芸術組織や文化政策などの講義、シンポジウム、セミナーなどを行なう一方、評論活動ではオーケストラ、オペラを中心に、海外在住経験を生かし、直...