子ども時代は波瀾万丈だった。実家はフィレンツェのメディチ家。銀行家として財を成した一族だ。
カトリーヌは唯一の正統な後継者として生まれるが、生後15日で母、21日で父を喪い、孤児になってしまう。
親戚を転々とし、修道院に預けられ、フィレンツェを反乱軍が取り囲んだ時は通りを引きまわされて晒し者にされた。
反乱が鎮圧され、危機を脱したカトリーヌはメディチ家出身の教皇クレメンス7世に引き取られて、フランス国王フランソワ1世の次男アンリに嫁ぐことになる。