アンリが王太子になった時、財産も子どももないカトリーヌを離縁しろという声が上がったのは必然だった。
カトリーヌはあらゆる手を尽くした。占い師に頼り、ラバの尿を飲むなど怪しい方法をさまざまに試した。
だが彼女を救ったのは、恋敵のディアヌだった。カトリーヌが叩き出され、新しい王妃が来たら、自分の立場が危うくなりかねない。
ディアヌは子作りに励めと、アンリをカトリーヌの寝室に送り込んだ。カトリーヌは結婚10年目にしてようやく妊娠し、待望の男児を得る。
一度弾みがつくと後はたやすい。カトリーヌは合計10人の子どもを産み、3人が国王になった。王妃の座は守られたのだ。