——とても忙しい毎日ですね。

HIMARI ふだんは1日8時間くらい練習していますが、オーケストラや室内楽のリハーサルなどが入ると個人レッスンは3時間、トータルで11時間ぐらいヴァイオリンを弾いているという日もあります。さすがに集中力が途切れたりしますが、基本的に人と一緒に弾くのは楽しいのですぐに取り戻せます。

——オーケストラの授業はどんなものなのでしょうか。

HIMARI カーティスに入って最初に受けたオーケストラの授業がマーラーの「交響曲第1番」で、しかも初見で弾くというものでびっくりしましたが、やってみたら意外に楽しかった。学生オーケストラの演奏会があって、去年はマーラーの他にラヴェルなどのフランスもの、先生がソリストのシューマンのピアノ協奏曲などをやりました。ヤニック・ネゼ=セガンが指揮したリヒャルト・シュトラウス・プログラムのときには、リハーサルが5時間半、本番が3時間の間中、延々と刻んでばかりでさすがに大変でした(笑)。

カーティス音楽院にて

——HIMARIさんはソリストとして活躍していらっしゃいますが、オーケストラや室内楽もお好きなんですね。

HIMARI オーケストラの中で弾いていると、あまり間近で聴く機会のないオペラ歌手の声や木管楽器のソロに釘付けになってしまうことがあります。人の演奏を聴いて自分も聴く、というのが一番難しいことなので、オーケストラの授業を受けることで、ソリストとしてオーケストラと合わせることが上達してきたと思います。

他にも、アイダ先生とデュオを組んだり、友だちとみんなで演奏したりしていくうちに、人と一緒に弾く楽しさ、ハーモニーをつくっていく楽しさに目覚めました。アンサンブルで身についたことがソロのときにも役に立っていると思います。