——竹中さんは、上野樹里さんと同じく実写ドラマから引き続きシュトレーゼマンを演じてらっしゃいますね。
竹中 僕は基本的にスケジュールさえ合えばどんなお仕事も断らないです。でも、のだめは唯一断ったお仕事なんですよ。「なんたってドイツ人の役ですからね。ぼく日本人でましょ? 絶対できるわけないです!」って。
すると、フジテレビのプロデューサーと監督がとても寂しそうな顔をなさって……。だからぼくは「特殊メイクで鼻をつけて、カツラをかぶって、こんな雰囲気でどうでしょう」とイメージを描いて見せたら、「それでいきましょう!」と言われ、結局やることになってしまったんです。後に原作を読んでみると! 僕の描いたイメージとまったく違っていた!
——結果的にそれがハマり役になって……。
竹中 正直に言うと、僕は当時の映像を観ていないんです。自分を見るのが怖くて。でも、一つだけ例外があって、映画版でシュトレーゼマンがプラハのスメタナホールで指揮をするシーン。「自分はちゃんと指揮ができているのだろうか……」と気になり、それだけは観てみようと映画館で目を覆いながら鑑賞しました。
——たしかに、スメタナホールで指揮を振るのは貴重なシーンですね。
竹中 この作品を通じて、指揮はとても深く素晴らしく、大きな大きなスピリットが必要なんだと深くずしりとぼくを刺激してくれました。だって、ただ腕を振っているだけじゃないんだもん! だから、宏規は本当に大変だと思います。
——三浦さんはまさに今、シンフォニックコンサートに向けて指揮の練習をされていますよね。
三浦 はい、まさに今、苦戦しています。今回は実際にフルオーケストラを指揮することになり、自分のタクトで音を生み出さなければいけない恐怖と楽しさを感じています。
——実際に今、指揮者の茂木大輔さんより指導を受けている最中とのこと。どんなアドバイスを受けていますか?
三浦 「指揮者が音楽をどんな形にしていきたいのか」をタクトと体で表現することで、演奏者はついてくるんだと教わりました。
実際に茂木先生から「このフレーズはどんなイメージ?」と問われて、僕が「草原の中で小鳥が鳴いているようなイメージです」と答えると、「じゃあそういう感じで振ってみて」……という感じで指導していただいていますね。貴重な経験ですが、やっぱりオーケストラの前に立つと足が震えます(笑)。
竹中 怖いよね。僕は10年以上前になりますが、プラハで撮影が行なわれた3日間は汗びっしょりでした。腕も痛くなるしね。「これは絶対に間違えてはいけない!」というプレッシャーもあるし。「いやはや、すごいお仕事を引き受けてしまったな……」と思いました(笑)。