ゼロからのスタートで次々とコンクール入賞の快挙

――「ほのカル」って、いい略称ですね。それにしても、出来立てのほやほやなのに、最初に応募した宗次コンクールで第3位およびハイドン賞を受賞というのはすごいですね。

林 コンクールを目指そうぜ、とかそういうわけではなく、多分本当にたまたま見つけてタイミングが良かったっていうところではあります。

岸本 無謀だった。今だったら考えられないです。

蟹江 今だったらコンクールに向けてレパートリーをちゃんと見て、期間を考えて準備するけれど、このときは、このコンクールを受けよう、何弾く?みたいな感じでした。

まだ1曲もレパートリーがないのに。ハイドンが課題だからハイドンやらなきゃ、自由曲は何やる? 《セリオーソ》(ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第11番」)がかっこいいからやろう。そういう感じでした。

 ゼロの状態からのスタートで、右も左もわからなかったし、むしろマイナスからのスタート。とりあえず一所懸命、目の前の曲を演奏するっていうだけでした。

宗次コンクールの後に第8回秋吉台コンクール弦楽四重奏部門を受けて、ありがたいことに1位をいただくことができたので、次は、大阪国際室内楽コンクールに応募したんです(コロナ禍で延期・中止になったのちに、今年5月に開催。第2位とアンバサダー賞を受賞)。

セカンド・ヴァイオリン:林周雅(はやし・しゅうが)
[メンバーから一言]仕切りはいつも彼。いちばん年下で昔はもうちょい可愛いげがあった(長田)相手がどう感じてるかとか、そういうのをすぐ判断できるので、僕がボケーっとしてると、諭してくれたり。すごく助かります(蟹江)