ハープのドラマティックで演劇的な側面を楽しめるカプレ「幻想的な物語」

ドビュッシーの同時代の作曲家、カプレの「幻想的な物語」も、ICPにとって重要なレパートリーだという。

マゲン「この作品はエドガー・アラン・ポーのホラー・ストーリー『赤死病の仮面』を基にしており、ひじょうに劇的で演劇的な作品です。

ドビュッシーの音楽は、一般的に思い描かれるハープの魅力——繊細で優雅、豊かな表現を聴かせてくれます。しかし、それはある特定の音楽的な世界の中に収まっています。

カプレはその枠を超えて、ハープをより劇的で演劇的な領域へと導いています。両者の作品を並べて聴くことで、ハープの異なる側面を楽しむことができます」

アンドレ・カプレ(1878-1925):フランスの作曲家。パリ音楽院に学び、1901年ローマ大賞受賞。第一次世界大戦までは指揮者としても活躍。ドビュッシーと親しく、オーケストレーションに協力することもあった