背景に写り込んだ著作物に関して、裁判で負けたケースも

――誰もが写真を撮り、誰もがメディア発信者になれるようになったのは、この15年、20年ぐらいのことなので、急速に常識も変わってきていますよね。あらゆるものがどんどんオープンになってきている気はします。

そうですね。でも、写り込んだというレベルではなく、他人が撮影した写真をあえて背景にした映像を公開した場合に、違法だと判断した判決があるのです。

――宣伝してくれてありがとう、みたいなノリにはならなかったんですね……。

そうなんです。使ってくれてありがとう、という感覚をお持ちの方もある程度いらっしゃるとは思うんですけど、その写真家の方の権利を侵害するのは確かなので、裁判になるとユーザーが負けています。

――そういう判例、具体例を教えていただけると、とても参考になります。

特に取材の場合、非常にタイトなスケジュールの中で行なわれるので、現場がバタバタしている中で背景に写り込んだものの著作権までは気にしていられないのかもしれませんが、それであとあと大変なトラブルになることがあるっていうことはお伝えしておきたいです。みなさんもお気をつけくださいね。(取材チーム、深く頷く……)