――ブライアン・ファーニホウ(1943-)の音楽について説明される際に、「新しい複雑性」という概念がしばしば使われますが、一体何のための複雑性なのでしょうか? 「弦楽四重奏曲第3番」は、踊りや歌ではなく、緊迫した長い言葉のような印象を受けます。その不思議な魅力を説明していただけますか?
A 作曲家は自分にふさわしいと思う方法で自身を表現しなければなりません。多くの現代の作曲家が、異なったスタイルで作曲しています。比較的シンプルな音楽を書く作曲家もいます。
ファーニホウはしばしば、密度の濃い厳しい音楽を書きます。私たちは彼の音楽の第一人者であり、すべての弦楽四重奏曲が我々のために、ヴァイオリン作品は私のために書かれました。
現代の作曲家は、ときにダンスや歌と関連づけられないようなスタイルで書くこともあるのです。
――ロジャー・レイノルズ(1934-)の「アリアドネの糸」は、エレクトロニクスを用いた音響によって、刺激的で興奮させられる作品になっています。「迷わないための道しるべ」を意味するとされるこのタイトルの由来は?
A この曲には、あなたが言うよりももっと深い意味が他にあるように思います。ロジャー・レイノルズは次のように語っています。
「弦楽四重奏とコンピューター・サウンドのために書かれた〈アリアドネの糸〉は、線に対する長年の関心から生まれた。仙厓義梵*やクレー、レンブラントなどの想像力を掻き立てるドローイングが、この曲で使用される音の着想源となっている。線は、連続性、指向性、屈折、強化、希薄化、気まぐれ、そして暴力さえも描写することができる。
*仙厓義梵:江戸時代の禅僧、画家
コンピューター・サウンドは、弦楽四重奏ができることの幅を広げながら、弦楽四重奏の音響を支え、増強し、それと交替し、ときにはそれと置き換わる。
ミノタウロスやディオニュソスをめぐる神話の要素が作品に反映されているが、それらが描写されているわけではない。この曲には、理性に欠けたある種の強迫観念や、一つになろうと