本番前は開き直って人と話すと緊張が落ち着く

——本番前は緊張されますか?

中山 はい、僕はめちゃくちゃしますね。いつも戦ってます。シビアにリハーサルをやればやるほど緊張します。手も震えますし、そこでいかにうまくやるか、自分でいろいろ考えてやってます。まだ答えは見つかってないですけど、「お客さんにそう聞こえればいい」っていうのが僕のポリシーの一つでもあるので。自分が意図しているものが伝われば、それさえ守れれば、もう何でもしていいっていうふうに思ってます。

——出番が多いときと、休みが多くて待ち時間が長いとき、どちらのほうが緊張しますか?

中山 細かい話になりますが、たとえば「みんなで一緒に大きな音を出した後に、急に静かになって、自分だけが残るような瞬間」はすごく緊張します。ほかの楽器でも同じだと思うんですけど、とくに「こんなに筋肉を使わせておいて、いきなりソロがくるか!」っていう場面ですね。そういうのは緊張しますね。

——本番の前は何をされていますか?

中山 それも緊張の話に繋がるんですけど、できるだけ人と喋るようにしています。そのほうがわりとマシだということに最近気がついたので。あんまり一人で「こうだ……」って裏でやってるよりは、1回開き直って人と楽しく喋ったほうがメンタルが落ち着くような気がします。あと最近瞑想も始めたので、それも取り入れたりとか、いろいろ試しています。

——本番前にお話しするのはどういうことですか?

中山 演奏会のことも話しますし、全然関係ないことも和気藹々と話しています。

——オーケストラでほかにやってみたかった楽器はありますか?

中山 ホルンです。かっこいいし、いいとこ取りだなと思うんです。伴奏もメロディもオブリガートも。花形の楽器もかっこいいとは思いますが、僕はあまり興味なくて、チェロとかヴィオラとかホルンがいいなと思います。

——ティンパニも花形なイメージです。

中山 どうなんでしょうね。それは人によるのかなって感じもします。もちろん僕は打楽器が目立っててかっこいいと思ったから始めましたけど、やっぱり人によっては、打楽器はふだんはあんまり目立たないと言われることもよくあります。

——団内で仲がいいのはどなたですか?

中山 一人はJuvichanです。よく一緒に演奏……というか、無茶ぶりをされています(笑)。Juvichanが企画するコンサートでピアノを弾いたりもしています。

——Juvichanも “いいパートナー”とおっしゃってました。

中山 うーん、“都合のいいパートナー”ですね(笑)。

あとはファゴットの村中くんは同じ藝大出身で、年が近いのもあって仲良しです。でもみんな仲良いですよ。10年前くらいはカラオケに行ったりごはんに行ったり、大学生みたいなことをしていましたが、最近はさすがにちょっと減りました。