——7月の定期演奏会では、カーゲルの「ティンパニとオーケストラのための協奏曲」でソリストを務められます(註:最後にティンパニに頭を突っ込むことで有名になった話題の曲)。これまでコンチェルトはどれくらい経験されましたか?
中山 1回だけ京響の友の会限定のクローズドコンサートで、テーリヒェンの「ティンパニ協奏曲」をさせていただいたことがありますが、今回のようなオフィシャルなコンサートで演奏するのは初めてです。
——意気込みを教えてください。
中山 楽しくできたらなっていうのがいちばんです。とにかく「特殊奏法の嵐」です。CDで聴くよりも目で見て「おおっ」っとなる曲かなと思います。
——初めての奏法が多いですか?
中山 そうですね。怪我しないようにしないと、という箇所がいくつかかあります。
——初めて提案あったときはどんな気持ちでしたか?
中山 びっくりしました。たしかその友の会のイベントのときにトークで「何かやりたい曲はありますか?」と質問されて「カーゲルをやってみたいです」って言ったのを、反映してくださったのかなと思いました。客席からちょっと拍手が起こったので……(笑)。
でもそれよりも、協奏曲のあとにマーラーの「交響曲第5番」を叩かなきゃいけないほうが、しんどいかもしれないですね(笑)。
——コンチェルトのあとに80分!
中山 はい、カーゲルのあとにマラ5を叩くっていうのは、どうなるか想像できないですね。メンタルがきついかもしれないので、練習の仕方を工夫しようかなと思います。100メートル全力疾走して、強制的にその緊張している状態を作って、マーラーを叩く練習をしてみるとか。