本番前は楽屋から大爆笑が聞こえてくる!?

——緊張はされますか?

会田 します。緊張してるように見えないらしいですが、めっちゃしています。

3月に《英雄の生涯》を弾いたときも、本当に緊張しました。コンチェルトを弾くほうが暗譜だし、大変そうに見えるかもしれないですが、何かあっても自分の責任だと思えます。でも《英雄の生涯》とか《シェエラザード》といったオケのソロは、みなさんの素晴らしい演奏のなかにあるから、たとえば立派な絵画にボールペンで落書きしてしまうような恐怖があるんです。

——ソロがないときはけっこうリラックスされていますか?

会田 いや、初めて演奏する曲は緊張します。アンサンブルなので、本番はどのようになるかわからない。指揮者がもしかしたら本番で振り方を変えるかもしれないし、皆さんのコンディションもあるし、どう来てもいいように余白を残しておく必要があります。

——1日に何時間くらい練習しますか?

会田 最近は、家だとダラダラしてしまうので、家から近いスタジオを予約して、3時間くらい予約して集中して練習します。京都や札幌ではホテル暮らしなので、弾けないんですよ。楽屋や練習場を使わせてもらっています。

——本番前の過ごし方を教えてください。

会田 ソロがある場合はギリギリまでさらっていますが、みんなで話しているときもあります。

——どんなお話をされるんですか?

会田 どんな話をしてるかわからないくらい他愛のない話をしています(笑)。

——コンサートで弾く曲の話はあんまりしない?

会田 うん、5パーセントぐらいかな(笑)。ほんとに京響の方たちはよくしゃべるので、話題が尽きることがないです。楽屋にいると、外からすごい大爆笑が聞こえてきたりします。